1歳の言葉の発達|初めての言葉と指さし
はじめに
「1歳になったけれど、まだ言葉が出ません。」
「『ママ』『パパ』と言うようになったけれど、順調なのでしょうか?」
「指さしをよくするようになりましたが、これは言葉の発達と関係がありますか?」
1歳頃は、多くの子どもが初めて意味のある言葉を話し始める時期です。
また、言葉だけでなく、指さしや身振りなどのコミュニケーションも大きく発達します。
ただし、言葉が出始める時期には個人差があり、1歳になったからといって必ず話し始めるわけではありません。
この記事では、1歳頃の言葉の発達の特徴や、指さしの役割、家庭でできる関わり方について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
1歳頃は「話す力」が育ち始める時期
0歳では、喃語や声を出すことが中心でした。
1歳頃になると、少しずつ意味のある言葉を話し始める子どもが増えてきます。
例えば、
- 「ママ」
- 「パパ」
- 「ワンワン」
- 「ブーブー」
など、身近な人や物の名前を言えるようになることがあります。
しかし、話せる言葉の数には大きな個人差があるため、まだ言葉が少なくても、理解やコミュニケーションが育っていれば心配しすぎる必要はありません。
言葉を理解する力がさらに伸びる
1歳では、「話す力」だけでなく、「理解する力」が大きく発達します。
例えば、
- 名前を呼ぶと振り向く
- 「おいで」と言うと来る
- 「バイバイ」と言うと手を振る
- 「ボール持ってきて」と言うと持ってくる
など、簡単な言葉や指示を理解できるようになります。
一般的に、理解できる言葉の数は、話せる言葉よりも多いことが特徴です。
指さしは言葉の発達にとても大切
1歳頃になると、多くの子どもで指さしが見られるようになります。
指さしには、いくつかの種類があります。
欲しいものを伝える指さし
例えば、お菓子やおもちゃを指さして、
「これが欲しい。」という気持ちを伝えます。
これは、自分の思いを相手に伝えようとする大切なコミュニケーションです。
「見て!」と伝える指さし
例えば、
- 飛行機を見つけた
- 犬を見つけた
- 電車が通った
ときに、保護者へ知らせるために指さすことがあります。
これは、「一緒に見たい」「気持ちを共有したい」という気持ちが育っている証拠です。
名前を覚えるための指さし
子どもが物を指さしたときに、
「ワンワンだね。」「赤い車だね。」と大人が言葉を返すことで、物の名前を少しずつ覚えていきます。
指さしは、語彙を増やす大切なきっかけになります。
身振りも豊かになる
1歳頃は、言葉だけでなく身振りも増えていきます。
例えば、
- バイバイ
- 拍手
- いただきます
- 抱っこを求めるしぐさ
などです。
こうした身振りも立派なコミュニケーションです。
言葉が少なくても、身振りを使って気持ちを伝えられていれば、コミュニケーションは順調に育っていることがあります。
模倣(まね)が増える
1歳頃になると、大人の行動や言葉をまねすることが増えてきます。
例えば、
- 手を振る
- 電話をかけるふりをする
- 大人の言葉を繰り返そうとする
などです。
まねをすることは、言葉だけでなく、社会性やコミュニケーションを学ぶ大切な方法です。
保護者ができること
1歳頃は、親子のやり取りをたくさん楽しむことが大切です。
例えば、
子どもの指さしに応える
子どもが指さしたら、
「本当だ、犬がいるね。」「車が走っているね。」と、一緒に見て言葉を添えてあげましょう。
ゆっくり話しかける
短く分かりやすい言葉で話しかけると、言葉の意味が伝わりやすくなります。
例えば、
- 「おいしいね。」
- 「ボールだね。」
- 「できたね。」
など、日常の出来事を言葉にしてあげましょう。
絵本を楽しむ
絵本を読みながら、
「ワンワンはどこかな?」「赤い車があるね。」など、絵を見ながら会話を楽しむことも、語彙を増やすきっかけになります。
心配しすぎなくても大丈夫
1歳では、
- たくさん話す子
- まだ喃語が中心の子
など、大きな個人差があります。
そのため、「まだ話さない」という理由だけで心配する必要はありません。
一方で、
- 名前を呼んでもほとんど反応しない
- 言葉の理解があまり見られない
- 指さしや身振りがほとんどない
- 人とのやり取りが少ない
などが気になる場合は、小児科や保健センター、言語聴覚士へ相談すると安心です。
まとめ
1歳頃は、初めて意味のある言葉が出始め、理解する力や指さし、身振りなどのコミュニケーションが大きく発達する時期です。
言葉の数には個人差がありますが、話すことだけではなく、
- 言葉を理解しているか
- 指さしをしているか
- 人とやり取りを楽しんでいるか
といった点も、言葉の発達を考えるうえで大切なポイントです。
毎日の生活の中でたくさん話しかけ、子どもの気持ちに応えながら、親子でコミュニケーションを楽しんでいきましょう。

