言葉の理解と話す力はどう違う?(言語発達)
はじめに
「言葉はまだ話せないけれど、言っていることは分かっているみたい。」
「『おいで』と言うと来るけれど、自分からはあまり話さない。」
このような様子は、多くの子どもに見られます。
実は、言葉を理解する力と話す力は同じではありません。
一般的には、理解する力のほうが先に発達し、その後に話す力が育っていきます。
この記事では、この2つの違いについてわかりやすく解説します。
言葉には「理解する力」と「話す力」がある
言葉の発達は、大きく分けると次の2つの力から成り立っています。
- 言葉を理解する力(理解言語)
- 言葉を話す力(表出言語)
どちらも大切ですが、それぞれ役割が異なります。
理解する力とは?
理解する力とは、相手が話した言葉の意味を理解する力です。
例えば、
- 名前を呼ばれて振り向く
- 「おいで」と言われて近づく
- 「ボール持ってきて」と言われて持ってくる
- 「いただきます」と言われると食事が始まることが分かる
これらはすべて理解する力が育っている証拠です。
まだ言葉を話せなくても、言葉の意味が分かっている子どもはたくさんいます。
話す力とは?
話す力とは、自分の気持ちや考えを言葉で表現する力です。
例えば、
- 「ママ」
- 「ワンワン」
- 「ジュース」
- 「おなかすいた」
など、自分から言葉を使って伝えることです。
話すためには、
- 言葉の意味を知っている
- 話したい気持ちがある
- 発音できる
- 言葉を思い出せる
など、多くの力が必要になります。
そのため、理解する力より発達に時間がかかることが一般的です。
理解する力のほうが先に育つ
子どもの言葉は、理解する → 話すという順番で発達します。
例えば、1歳頃では、「おもちゃ持ってきて」と言われると持って来られるのに、
自分では「おもちゃ」と言えないことがあります。
これは珍しいことではありません。
理解できる言葉の数は、話せる言葉より何倍も多いことが一般的です。
理解しているかはどうやって分かる?
まだ話せない子どもでも、理解している様子は日常生活で確認できます。
例えば、
- 名前を呼ぶと振り向く
- 「バイバイ」で手を振る
- 「パパはどこ?」でパパを見る
- 「いただきます」で手を合わせる
- 「お風呂に行こう」で浴室へ向かう
このような行動が見られれば、言葉を理解している可能性があります。
話せる言葉だけではなく、「理解できているか」にも目を向けることが大切です。
話す力には準備が必要
子どもが言葉を話すまでには、多くの準備が行われています。
例えば、
- 音を聞き分ける
- 言葉を覚える
- 意味を理解する
- 発音の練習をする
- 人とやり取りする楽しさを知る
これらが積み重なって初めて、自分から言葉を話せるようになります。
そのため、「まだ話さない」と焦る必要はありません。
理解する力が伸びていれば、その後に話す力が大きく伸びることもよくあります。
理解はできるのに話せないこともある
理解する力と話す力は別の能力なので、
- 理解は十分できている
- でも話すのは苦手
という子どももいます。
逆に、言葉は話せても、理解が十分ではない場合もあります。
そのため、言葉の発達を考えるときは、「話せる言葉の数」だけで判断するのではなく、理解の様子もあわせて見ることが重要です。
保護者ができる関わり方
理解する力を育てるためには、
- たくさん話しかける
- 子どもの行動に合わせて言葉を添える
- 絵本を読む
- 一緒に遊ぶ
ことが効果的です。
また、子どもが言葉を話したときには、「そうだね、ワンワンだね。」「ジュース飲みたいんだね。」
など、少し言葉を広げて返してあげることで、話す力も育ちやすくなります。
まとめ
言葉には、
- 理解する力(理解言語)
- 話す力(表出言語)
の2つがあります。
一般的には、理解する力のほうが先に発達し、その後に話す力が育っていきます。
そのため、まだ話せる言葉が少なくても、言葉を理解している様子が見られれば、順調に発達していることも少なくありません。
お子さんの言葉を見るときは、「何を話せるか」だけではなく、「どれだけ理解できているか」にも注目してみましょう。

