幼児の吃音に対する支援とは?
幼児の吃音では「安心して話せる環境づくり」が大切です
2〜5歳頃は、吃音が始まりやすい時期です。
この時期に子どもがどもるようになると、
「早く治さなければ。」
「何か特別な練習をした方がいいのでは。」
と心配になる保護者も多いでしょう。
しかし、幼児の吃音では、話し方を無理に直そうとすることよりも、安心して話せる環境を整えることが重要と考えられています。
子どもがリラックスして会話を楽しめる環境は、健やかな言葉の発達にもつながります。
幼児期の吃音は自然に改善することもある
幼児期に始まった吃音は、成長とともに自然に改善することも少なくありません。
そのため、
- 症状が軽い
- 本人があまり気にしていない
- 日常生活への影響が少ない
場合には、すぐに特別な訓練を始めず、経過を見守ることがあります。
ただし、「何もしない」という意味ではなく、家庭での関わり方を工夫しながら成長を見守ることが大切です。
保護者の関わりが最も重要
幼児の支援では、保護者の関わり方が大きな役割を果たします。
子どもは安心して話せると感じることで、自然に会話を楽しめるようになります。
例えば、
- 子どもの話を最後まで聞く
- 途中で言葉を補わない
- 話を急がせない
- 話し方ではなく内容に興味を示す
ことが大切です。
「今日は何をして遊んだの?」とゆっくり話を聞く時間を作るだけでも、子どもにとって安心感につながります。
「ゆっくり話して」は逆効果になることも
保護者は、「ゆっくり話してごらん。」と声をかけたくなることがあります。
しかし、何度もこのように言われると、子どもは、「自分の話し方はおかしいのかな。」と意識しすぎてしまうことがあります。
また、
- 「落ち着いて」
- 「もう一回言って」
- 「深呼吸して」
などの声かけも、繰り返し行うことは勧められません。
大切なのは、話し方を直すことではなく、安心して話せる雰囲気をつくることです。
家族全体でゆったり会話を楽しむ
家庭では、家族全員が少しゆっくりしたペースで会話をすることも効果的です。
例えば、
- 子どもの話を待つ
- 一人ずつ話す
- テレビを消して会話を楽しむ
などです。
子どもだけに「ゆっくり話して」と求めるのではなく、家族全体が落ち着いた会話を心がけることで、子どもも安心して話しやすくなります。
言語聴覚士による支援
必要に応じて、言語聴覚士(ST)が支援を行います。
幼児では、
- 保護者へのアドバイス
- 子どもの様子の観察
- 定期的な評価
が中心になります。
話し方を繰り返し練習するよりも、家庭での関わり方を一緒に考えることが多くあります。
気持ちにも目を向ける
吃音があっても、多くの幼児は話すこと自体を楽しんでいます。
しかし、
- 話すことを嫌がる
- 「話したくない」と言う
- 話す前に緊張している
などの様子がみられる場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。
話し方だけではなく、子どもの気持ちにも目を向けることが重要です。
保育園や幼稚園との連携
家庭だけでなく、保育園や幼稚園とも情報を共有しておくと安心です。
先生には、
- 話を急がせないこと
- 最後まで話を聞くこと
- 話し方ではなく内容を大切にすること
などを伝えておくと、園でも安心して過ごしやすくなります。
家庭と園が同じ考え方で関わることが、子どもの安心感につながります。
保護者が自分を責める必要はありません
「私の育て方が悪かったのでは……。」と自分を責める保護者もいます。
しかし、現在では、吃音は
- 脳の働き
- 遺伝
- 発達
など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
保護者の育て方だけが原因で吃音になることはありません。
一人で抱え込まず、困ったときは専門家へ相談しましょう。
まとめ
幼児の吃音に対する支援では、話し方を無理に直そうとするのではなく、安心して話せる環境を整えることが大切です。
保護者が最後まで話を聞き、ゆったりとした会話を楽しむことが、子どもの安心感につながります。
また、必要に応じて言語聴覚士の支援を受けながら、家庭や保育園・幼稚園と連携して見守っていくことが重要です。

