学童期の吃音リハビリとは?
学童期の支援では「話し方」と「気持ち」の両方が大切です
小学校へ入学すると、子どもは毎日のように人前で話す機会を経験します。
例えば、
- 授業での発表
- 音読
- 自己紹介
- 友達との会話
- 学校行事
などです。
幼児期にはあまり気にしていなかった吃音も、学童期になると、
「またどもったらどうしよう。」
「友達に笑われるかもしれない。」
という不安を感じる子どももいます。
そのため、学童期の吃音リハビリでは、話し方だけでなく、子どもの気持ちや学校生活への支援も大切になります。
学童期の目標は「安心して話せること」
以前は、「どもらないように話すこと」がリハビリの中心と考えられていました。
しかし現在では、
- 自信を持って話せる
- 話したいことを伝えられる
- 学校生活を安心して送れる
ことを大切な目標としています。
吃音が完全になくならなくても、学校生活を楽しめることは十分に可能です。
話し方の工夫を学ぶ
学童期では、必要に応じて話し方の工夫を練習することがあります。
例えば、
- 力を入れすぎずに話す
- 呼吸を整えて話す
- ゆったりしたペースで話す
などです。
ただし、これらは「正しい話し方」を身につけるためではなく、本人が少しでも話しやすくなる方法を一緒に見つけることが目的です。
どの方法が合うかは子どもによって異なります。
話すことへの不安にも向き合う
学童期になると、
- 発表が怖い
- 音読を避けたい
- 自己紹介が苦手
など、話すことへの不安が強くなることがあります。
そのため、リハビリでは、
- 不安な気持ちを言葉にする
- 困っている場面を整理する
- 対処方法を一緒に考える
ことも大切な支援です。
「どもることが悪いことではない」と理解できるよう支援することも、安心感につながります。
回避行動を減らす支援
吃音がある子どもの中には、
- 手を挙げない
- 音読を避ける
- 苦手な言葉を言い換える
などの回避行動がみられることがあります。
回避行動が増えると、「やっぱり話せない」という気持ちが強くなり、自信を失ってしまうことがあります。
リハビリでは、無理に話させるのではなく、「少し挑戦できた」という成功体験を積み重ねながら、自信を育てていきます。
学校との連携も重要
学童期では、学校との連携が欠かせません。
例えば、
- 音読の順番を事前に伝える
- 発表方法を工夫する
- 発言を急がせない
- 最後まで話を聞く
などの配慮によって、子どもは安心して学校生活を送ることができます。
配慮の内容は子どもによって異なるため、本人や保護者、学校が相談しながら決めることが大切です。
家族も支援の大切な存在
家庭では、
- 子どもの話を最後まで聞く
- 話し方ではなく内容を大切にする
- 学校で頑張ったことを認める
ことが大切です。
例えば、
「今日は発表できたんだね。」
「最後まで伝えられたね。」
など、結果ではなく挑戦したことを認める声かけが、自信につながります。
言語聴覚士と一緒に目標を考える
学童期の支援では、言語聴覚士と一緒に、
- 今一番困っていること
- 少し頑張りたいこと
- 将来の目標
などを話し合いながら進めます。
例えば、
- 音読が少し楽になる
- 電話に挑戦してみる
- 発表への不安を減らす
など、子どもに合った目標を設定します。
焦らず少しずつ成長することが大切
吃音の改善には個人差があります。
そのため、「すぐに話せるようにならなければ」と焦る必要はありません。
小さな成功体験を積み重ねることで、「話しても大丈夫。」
という自信を少しずつ育てていくことが、学童期のリハビリではとても重要です。
まとめ
学童期の吃音リハビリでは、話し方の工夫だけでなく、話すことへの不安を軽減し、学校生活での困りごとを減らす支援が行われます。
また、学校や家庭と連携しながら、安心して話せる環境を整えることも大切です。
リハビリの目標は、吃音を完全になくすことだけではありません。
子どもが自信を持って話し、自分らしく学校生活を送れるよう支えることが、学童期の支援で最も大切な考え方です。

