大人の吃音リハビリとは?
大人の吃音リハビリは「自分らしく話せること」を目指します
「大人になっても吃音はリハビリできるのでしょうか。」
「子どもの頃から吃音があるけれど、今から相談しても遅くないでしょうか。」
このような相談は少なくありません。
大人になってからでも吃音のリハビリを受けることはできます。
現在では、吃音を完全になくすことだけを目標にするのではなく、
- 話すことへの不安を減らすこと
- 日常生活での困りごとを少なくすること
- 自分らしく話せるようになること
を大切にした支援が行われています。
大人の吃音にはさまざまな困りごとがある
大人の吃音では、仕事や日常生活で困る場面が多くあります。
例えば、
- 電話対応
- 会議での発言
- プレゼンテーション
- 面接
- 接客
- 自己紹介
などです。
話したいことがあっても、「またどもったらどうしよう。」という不安から、発言を控えるようになる人もいます。
リハビリは困りごとを整理することから始まる
言語聴覚士(ST)は、最初に
- どんな場面で困っているか
- どのような症状があるか
- どんなことを目標にしたいか
を詳しく確認します。
例えば、
- 電話だけが苦手な人
- 会議が苦手な人
- 初対面の人との会話が苦手な人
では、必要な支援が異なります。
そのため、一人ひとりに合わせた支援計画を立てていきます。
話し方の工夫を学ぶ
必要に応じて、話しやすくするための工夫を練習します。
例えば、
- 呼吸を整える
- 力を入れすぎずに話す
- ゆったりした話し方を意識する
などです。
ただし、
「この話し方なら必ずどもらない」という方法はありません。
本人が話しやすいと感じる方法を、一緒に見つけていくことが大切です。
話すことへの不安に向き合う
大人の吃音では、話し方そのものよりも、
- 「またどもるかもしれない」
- 「相手にどう思われるだろう」
という不安が大きな負担になっていることがあります。
そのため、リハビリでは、
- 不安を整理する
- 苦手な場面への対処法を考える
- 成功体験を積み重ねる
ことも重要な支援になります。
回避行動を減らすことも大切
吃音のある人は、
- 電話を避ける
- 注文を他の人に頼む
- 発表を断る
などの回避行動が増えることがあります。
回避行動は一時的には安心できますが、
長く続くと、
「自分は話せない」
という気持ちが強くなってしまいます。
リハビリでは、無理のない範囲で少しずつ挑戦し、
「話せた」という経験を増やしていきます。
職場での工夫を考える
仕事で困っている場合は、職場でできる工夫について一緒に考えることもあります。
例えば、
- 電話対応を相談する
- 発表の方法を工夫する
- 必要に応じて周囲へ吃音を伝える
などです。
すべてを一人で抱え込まず、職場と相談しながら働きやすい環境を整えることも大切です。
「どもらないこと」だけが目標ではない
以前は、「どもらないようになること」がリハビリの目標と考えられていました。
しかし現在では、
- 話したいことを伝えられる
- 必要な場面で話せる
- 吃音があっても自分らしく生活できる
ことを目標にする考え方が広がっています。
吃音が少し残っていても、生活の満足度を高めることは十分に可能です。
一人で悩まないことが大切
「大人だからもう治らない。」と思って相談をためらう人もいます。
しかし、大人になってから支援を受け、
- 電話への苦手意識が減った
- 発表が以前より楽になった
- 吃音との付き合い方がわかった
という人も少なくありません。
何歳からでも相談することに遅すぎるということはありません。
まとめ
大人の吃音リハビリでは、話し方の工夫だけでなく、話すことへの不安や回避行動、仕事や日常生活での困りごとにも目を向けながら支援を行います。
現在では、吃音を完全になくすことだけを目標にするのではなく、吃音があっても安心して話し、自分らしく生活できることを大切にした支援が行われています。

