吃音緩和法(Stuttering Modification)とは?

吃音と上手に付き合うための支援方法

吃音のリハビリにはさまざまな方法があります。

その代表的なものの一つが、吃音緩和法(Stuttering Modification:スタタリング・モディフィケーション)です。

吃音緩和法は、「吃音を完全になくすこと」を目指すのではなく、吃音があっても楽に話せるようになることを目標とした支援方法です。

話し方だけでなく、話すことへの不安や苦手意識にも目を向ける点が大きな特徴です。


吃音緩和法とは?

吃音緩和法は、アメリカの言語病理学者であるCharles Van Riperによって発展した考え方です。

この方法では、「どもること=悪いこと」とは考えません。

むしろ、吃音とうまく付き合いながら、自分らしく話せることを目指す支援方法です。


なぜこの方法が必要なの?

吃音のある人の中には、

  • 「どもってはいけない」
  • 「絶対にうまく話さなければ」

という気持ちが強くなっている人もいます。

その結果、

  • 話すことを避ける
  • 言葉を言い換える
  • 人前で話さなくなる

といった回避行動が増えることがあります。

吃音緩和法では、このような悪循環を減らし、安心して話せるようになることを目指します。


吃音を理解することから始まる

最初に行うのは、自分の吃音について理解することです。

例えば、

  • どんな場面で吃音が出るのか
  • どんな気持ちになるのか
  • 何を避けているのか

などを整理します。

自分の特徴を知ることで、適切な対処方法を考えやすくなります。


吃音への不安を減らしていく

吃音緩和法では、話し方だけでなく、

  • 「またどもるかもしれない」
  • 「笑われたらどうしよう」

という不安にも目を向けます。

言語聴覚士と一緒に、

  • 不安を整理する
  • 気持ちを言葉にする
  • 成功体験を積み重ねる

ことで、少しずつ話すことへの自信を育てていきます。


吃音が出ても楽に話す工夫

吃音緩和法では、吃音が出たときに、力まず話を続ける方法を練習することがあります。

例えば、

  • 話し始める力を少し抜く
  • 詰まったあとも慌てず話を続ける
  • 話すことを途中で諦めない

などです。

「どもらないこと」を目指すのではなく、「どもっても話し続けられること」を大切にしています。


回避行動を減らすことも大切

吃音がある人は、

  • 電話を避ける
  • 注文を家族に頼む
  • 発表を断る

などの回避行動がみられることがあります。

回避行動は一時的には安心できますが、長く続くと、「自分は話せない」という気持ちが強くなってしまいます。

そのため、本人のペースに合わせて少しずつ挑戦し、成功体験を積み重ねることも支援の一つです。


流暢性形成法との違い

吃音緩和法と流暢性形成法は、どちらも代表的な支援方法ですが、考え方が少し異なります。

流暢性形成法吃音緩和法
話しやすい話し方を身につける吃音とうまく付き合う方法を学ぶ
呼吸や話し方を工夫する吃音への不安や回避行動にも取り組む
流暢に話しやすくすることを目指す吃音があっても安心して話せることを目指す

実際の支援では、この2つを組み合わせて行うことも少なくありません。


現在の吃音支援では組み合わせて行うことが多い

現在では、吃音緩和法だけ、流暢性形成法だけ、という支援は少なくなっています。

多くの場合、

  • 話し方の工夫
  • 不安への対応
  • 回避行動への支援
  • 学校や職場での困りごとへの対応

などを組み合わせながら、一人ひとりに合った支援を行います。


まとめ

吃音緩和法(Stuttering Modification)は、吃音を完全になくすことではなく、吃音があっても安心して話し、自分らしく生活できることを目指す支援方法です。

話し方だけでなく、不安や回避行動にも目を向けることが大きな特徴です。

現在では、流暢性形成法などと組み合わせながら、一人ひとりの困りごとに合わせた支援が行われています。

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