流暢性形成法(Fluency Shaping)とは?
流暢性形成法は「話しやすい話し方」を身につける支援です
吃音のリハビリにはさまざまな方法があります。
その中でも代表的なものの一つが、流暢性形成法(Fluency Shaping:フルエンシー・シェーピング)です。
流暢性形成法は、話し方そのものを工夫することで、できるだけスムーズに話せるようになることを目指す支援方法です。
ただし、「どもらない話し方を身につける訓練」と考えるよりも、「本人が話しやすい方法を身につける支援」と理解するとよいでしょう。
流暢性形成法とは?
私たちは普段、話すときに
- 呼吸
- 声帯
- 舌
- 唇
などを無意識に協調させています。
吃音では、この発話のタイミングがうまく合わず、言葉が繰り返されたり詰まったりすることがあります。
流暢性形成法では、呼吸や発声、話すスピードなどを調整し、話しやすい話し方を身につけることを目標にします。
どのような練習をするの?
支援内容は一人ひとり異なりますが、代表的な方法には次のようなものがあります。
ゆっくり話す
話す速さを少しゆっくりにすることで、発話のタイミングを整えやすくします。
ただし、不自然にゆっくり話すことが目的ではありません。
日常会話の中でも続けられる程度の自然な速さを目指します。
やわらかく話し始める
言葉の最初に力を入れすぎると、詰まりやすくなることがあります。
そのため、声をやさしく出し始める方法(ソフトな発声)を練習することがあります。
呼吸を整える
呼吸と発声のタイミングを合わせる練習を行うこともあります。
息を止めたまま話そうとすると、吃音が強くなることがあるため、自然な呼吸を意識しながら話す練習を行います。
力を抜いて話す
口や首、肩に余分な力が入ると、話しにくくなることがあります。
そのため、リラックスした状態で話すことを意識する練習を行う場合もあります。
効果はあるの?
流暢性形成法によって、
- 吃音が減った
- 話しやすくなった
と感じる人は少なくありません。
一方で、効果には個人差があります。
また、練習では話しやすくても、実際の学校や職場では緊張して思うように話せないこともあります。
そのため、日常生活でどのように活用するかも重要になります。
「ゆっくり話せば治る」ということではない
流暢性形成法について、「ゆっくり話せば吃音は治る」と誤解されることがあります。
しかし、実際にはそんなに単純ではありません。
話すスピードだけではなく、
- 呼吸
- 発声
- 話す場面
- 緊張
- 本人の気持ち
など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、言語聴覚士が本人に合った方法を一緒に考えながら進めていきます。
すべての人に合うわけではない
流暢性形成法は有効な支援方法の一つですが、すべての人に適しているわけではありません。
例えば、
- 話し方よりも不安が強い人
- 回避行動が多い人
では、話し方の練習だけでは十分でないことがあります。
そのため、心理的な支援や生活上の工夫を組み合わせることもあります。
現在の吃音支援の考え方
現在では、流暢性形成法だけを行うことは少なくなっています。
多くの場合、
- 話し方の工夫
- 話すことへの不安への支援
- 回避行動への対応
- 学校や職場での配慮
などを組み合わせて支援を行います。
本人が安心して話せることを最終的な目標にしています。
まとめ
流暢性形成法(Fluency Shaping)は、呼吸や発声、話すスピードなどを工夫し、より話しやすい話し方を身につけるリハビリ方法です。
話し方の改善に役立つことがありますが、効果には個人差があり、すべての人に同じ方法が適しているわけではありません。
現在では、話し方の練習だけでなく、不安への対応や日常生活での支援も組み合わせながら、一人ひとりに合った支援が行われています。

