体重が減ってきたのは嚥下障害が原因?
「最近、体重が少しずつ減ってきました。」
「食事はしているのに痩せてきた気がします。」
「嚥下障害が原因なのでしょうか?」
体重が減る原因はさまざまですが、飲み込みにくさ(嚥下障害)が原因で体重が減ることは少なくありません。
特に高齢者では、「食べる量が少し減っただけ」と思っていても、その状態が続くことで低栄養となり、筋力や体力が低下してしまうことがあります。
体重減少は、嚥下障害の進行や誤嚥性肺炎のリスクを高めるサインでもあるため、見逃さないことが大切です。
この記事では、体重が減る理由や嚥下障害との関係についてわかりやすく解説します。
嚥下障害があると食事量が減りやすい
嚥下障害がある方は、
- むせるのが怖い
- 飲み込みに時間がかかる
- 食べると疲れる
- のどにつかえる感じがする
などの理由から、少しずつ食事量が減ることがあります。
本人は意識していなくても、
「気づいたら以前より食べる量が少なくなっていた」
ということも珍しくありません。
食べているつもりでも栄養が足りていないことも
「毎日3食食べています。」
という方でも、実際には必要な栄養が不足していることがあります。
例えば、
- おかずよりご飯だけ食べている
- 柔らかいものばかり食べている
- 一回の食事量が少ない
などでは、十分なエネルギーやたんぱく質を摂れていない場合があります。
つまり、「食べていること」と「必要な栄養が摂れていること」は同じではありません。
低栄養になるとさらに飲み込みが悪くなる
栄養不足が続くと、全身の筋肉が少しずつ減っていきます。
これは、
- 足の筋肉
- 腕の筋肉
だけでなく、
舌やのどなど、飲み込みに必要な筋肉も例外ではありません。
その結果、
- 飲み込む力が弱くなる
- むせやすくなる
- 食べられる量がさらに減る
という悪循環が起こります。
病気が隠れていることもある
体重減少の原因は嚥下障害だけではありません。
例えば、
- がん
- 甲状腺の病気
- 消化器の病気
- 糖尿病
- 心不全
などでも体重が減ることがあります。
また、うつ病や認知症による食欲低下が原因となることもあります。
そのため、「体重が減った=嚥下障害」と決めつけず、原因を調べることが大切です。
どれくらい体重が減ったら注意?
一つの目安として、
6か月で体重の5%以上減少した場合は、低栄養の可能性を考える必要があります。
例えば、
- 60kgの方なら約3kg
- 50kgの方なら約2.5kg
程度の減少でも、原因を確認したほうがよい場合があります。
また、短期間で急激に体重が減った場合は、早めの受診が必要です。
このような症状があれば受診を
体重減少に加えて、次のような症状がある場合は、医療機関へ相談しましょう。
- 食事中によくむせる
- 水分で咳き込む
- 食事時間が長くなった
- のどにつかえる感じがする
- 食後に声がガラガラになる
- 発熱を繰り返す
- 食欲はあるのに食べられない
これらは嚥下障害が関係している可能性があります。
家族ができること
体重の変化は、ご本人より家族が気づくことも少なくありません。
次のような点を確認してみましょう。
- 定期的に体重を測る
- 食事量が減っていないか確認する
- 食事中のむせや疲れを観察する
- 衣服がゆるくなっていないか
「少し痩せたかな」という小さな変化が、早期発見につながることがあります。
体重が減ったときの対応
体重減少がみられる場合は、
- 飲み込みの評価を受ける
- 食形態を見直す
- 栄養補助食品を活用する
- 必要な栄養量を確保する
- 嚥下リハビリを行う
などを検討します。
医師や言語聴覚士、管理栄養士など、多職種と相談しながら進めることが大切です。
まとめ
体重が減ってきた原因として、嚥下障害による食事量の減少が関係していることがあります。
また、低栄養になると飲み込みに必要な筋肉も弱くなり、
- 食べられない
- 体重が減る
- さらに飲み込みが悪くなる
という悪循環に陥ることがあります。
一方で、体重減少の背景には他の病気が隠れていることもあるため、自己判断は禁物です。
体重が少しずつ減ってきた場合や、むせ・食事時間の延長などを伴う場合は、
早めに医療機関で相談し、原因を確認することをおすすめします。

