発熱を繰り返すのは誤嚥が原因かも?
「何度も熱が出るけれど、原因がよく分かりません。」
「抗菌薬で治っても、また数週間後に発熱します。」
「もしかして誤嚥が関係しているのでしょうか?」
高齢者や嚥下障害がある方では、発熱を繰り返す原因として誤嚥性肺炎が隠れていることがあります。
特に、「食事中によくむせる」「食後に声がガラガラになる」といった症状がある場合は、飲み込みの問題を疑うことが大切です。
もちろん、発熱にはさまざまな原因があるため、すべてが誤嚥によるものではありません。しかし、繰り返す発熱は体からの重要なサインです。
この記事では、発熱と誤嚥の関係についてわかりやすく解説します。
誤嚥すると、なぜ発熱するの?
誤嚥とは、食べ物や飲み物、唾液などが誤って気管へ入ることです。
誤嚥したものに口の中の細菌が含まれていると、肺で炎症が起こり、誤嚥性肺炎になることがあります。
肺炎になると、
- 発熱
- 咳
- 痰が増える
- 息苦しさ
などの症状が現れます。
つまり、誤嚥そのものではなく、誤嚥によって肺炎が起こることで発熱するのです。
誤嚥性肺炎は繰り返しやすい
誤嚥性肺炎は、一度治療しても再発することがあります。
その理由は、
- 嚥下障害が改善していない
- 誤嚥が続いている
- 不顕性誤嚥がある
- 口の中の細菌が多い
など、原因そのものが残っていることが多いためです。
そのため、「熱が下がったから治った」
と思っていても、誤嚥が続いていれば再び肺炎になる可能性があります。
むせなくても誤嚥していることがある
「食事中にむせていないから大丈夫。」と思われる方もいます。
しかし、高齢者や脳卒中、パーキンソン病などでは、不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)が起こることがあります。
これは、誤嚥していても咳やむせが出ない状態です。
本人も周囲も気づきにくいため、
「原因不明の発熱を繰り返していたら、不顕性誤嚥が見つかった」ということも珍しくありません。
発熱以外にこんな症状はありませんか?
誤嚥性肺炎では、発熱以外にも次のような症状がみられることがあります。
- 食事中によくむせる
- 水分で咳き込む
- 食後に声がガラガラになる
- 痰が増えた
- 食欲がない
- 元気がなくなった
- 食事量が減った
高齢者では、熱があまり高くならず、「なんとなく元気がない」「ぼんやりしている」といった症状だけの場合もあります。
発熱の原因は誤嚥だけではない
もちろん、発熱にはさまざまな原因があります。
例えば、
- 風邪
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症
- 尿路感染症
- 胆のう炎
などでも発熱します。
そのため、「熱が出た=誤嚥性肺炎」と自己判断することはできません。
特に繰り返す発熱では、医療機関で原因を調べてもらうことが大切です。
このような場合は早めに受診を
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
- 発熱を何度も繰り返している
- 食事中によくむせる
- 食後に声がガラガラになる
- 食後に痰が増える
- 食事量が減ってきた
- 体重が減ってきた
- 息苦しさがある
これらは誤嚥性肺炎や嚥下障害が関係している可能性があります。
再発を防ぐために大切なこと
誤嚥性肺炎を繰り返さないためには、肺炎の治療だけではなく、誤嚥そのものへの対策が必要です。
例えば、
- 飲み込みの評価を受ける
- 食形態を見直す
- 食事姿勢を整える
- 口腔ケアを徹底する
- 嚥下リハビリを行う
などが重要です。
医師や言語聴覚士、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士など、多職種と連携しながら予防を進めていきます。
家族が気づきたいサイン
ご家族は、普段の生活の中で次のような変化がないか確認してみましょう。
- 食後だけ咳が増える
- 微熱が続く
- 食後に声が変わる
- 元気がない日が増えた
- 食事量が減った
こうした小さな変化が、誤嚥性肺炎の早期発見につながることがあります。
まとめ
発熱を繰り返す原因として、誤嚥性肺炎が隠れていることがあります。
特に、
- 食事中によくむせる
- 食後に声がガラガラになる
- 食後に痰が増える
などの症状がある場合は、嚥下障害が関係している可能性があります。
また、不顕性誤嚥では、むせがなくても誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
繰り返す発熱を「年齢のせい」と考えず、早めに医療機関で原因を調べることが大切です。
適切な評価と予防を行うことで、誤嚥性肺炎の再発リスクを減らせる可能性があります。

