言葉の発達で受診を考える目安

はじめに

「言葉が少し遅い気がするけれど、病院を受診したほうがいいのかな?」
「もう少し様子を見ても大丈夫?」
「相談するタイミングが分かりません。」

子どもの言葉の発達には大きな個人差があるため、「どこまで様子を見てよいのか」と悩む保護者は少なくありません。

実際には、少し言葉がゆっくりでも自然に発達していく子どももいます。一方で、早めに専門家へ相談することで、お子さんに合った関わり方や支援につながるケースもあります。

この記事では、言葉の発達で受診や相談を考える目安について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。


「言葉が遅い」だけで判断することはできない

「○歳なのにまだ〇語しか話せない。」

このように、話せる言葉の数だけで判断することはできません。

言葉の発達を見るときには、

  • 言葉を理解しているか
  • 人とコミュニケーションを取ろうとしているか
  • 指さしや身振りが見られるか
  • 少しずつ成長が見られるか

なども合わせて確認することが大切です。

そのため、「話す言葉が少ない=すぐに問題がある」と考える必要はありません。


こんな様子があれば相談を考えましょう

次のような様子が続く場合は、一度専門家へ相談することをおすすめします。

名前を呼んでも反応が少ない

何度呼んでも振り向かないことが多い場合は、聞こえの問題やコミュニケーションの発達について確認が必要なことがあります。

ただし、遊びに夢中になっているときなど、一時的に反応しないことは珍しくありません。


言葉の理解があまり進んでいない

例えば、

  • 「おいで」
  • 「ちょうだい」
  • 「持ってきて」

など、簡単な言葉や指示がほとんど理解できない場合は、一度相談してみると安心です。

一般的に、言葉は「話す力」よりも「理解する力」が先に発達します。


指さしや身振りが少ない

言葉が出る前には、

  • 欲しい物を指さす
  • バイバイをする
  • 「抱っこ」を身振りで伝える

などのコミュニケーションが見られることが多くあります。

こうしたやり取りが少ない場合も、相談の目安になります。


言葉がなかなか増えない

少し言葉が出始めても、長い間ほとんど増えない場合は、一度相談してみましょう。

例えば、

  • 同じ数語だけを繰り返している
  • 新しい言葉が増えない

といった様子が続く場合です。


コミュニケーションが取りにくい

例えば、

  • 人と目を合わせることが少ない
  • 一緒に遊ぶことが少ない
  • 呼びかけへの反応が乏しい
  • やり取りが続きにくい

など、言葉だけでなくコミュニケーション全体に心配がある場合も、早めに相談すると安心です。


一度できていたことができなくなった

以前は話していた言葉が減ったり、コミュニケーションが少なくなったりした場合は、早めの受診をおすすめします。

このような変化は、詳しい評価が必要になることがあります。


相談するタイミングは「気になったとき」

「まだ小さいから。」「もう少し待てば話すかもしれない。」と思って、相談をためらう保護者もいます。

しかし、不安を感じた時点で相談して構いません。

相談した結果、「今は個人差の範囲ですね。」と言われれば安心できますし、

必要があれば、お子さんに合った関わり方や支援を早めに知ることができます。


相談先はどこ?

言葉の発達が気になる場合は、次のような場所で相談できます。

  • 小児科
  • 保健センター
  • 地域の発達相談窓口
  • 発達外来
  • 言語聴覚士がいる病院や施設

必要に応じて、聴力検査や発達の評価などを受けることもあります。


早く相談するメリット

早めに相談することで、

  • 発達の状況を正しく把握できる
  • 家庭での関わり方が分かる
  • 必要な支援につながりやすくなる
  • 保護者の不安が軽くなる

といったメリットがあります。

相談したからといって、必ず治療や訓練が始まるわけではありません。

「今は経過を見ましょう」と言われることもありますが、それも専門家による評価を受けたうえでの判断なので、安心につながります。


保護者が気にしすぎる必要はない

言葉の発達には大きな個人差があります。

そのため、目安より少しゆっくりだからといって、必要以上に心配する必要はありません。

一方で、「気になるけれど、もう少し待とう。」と何年も悩み続ける必要もありません。

困ったときには専門家へ相談することは、お子さんのためだけでなく、保護者自身の安心にもつながります。


まとめ

子どもの言葉の発達には個人差がありますが、

  • 名前を呼んでも反応が少ない
  • 言葉の理解が進んでいない
  • 指さしや身振りが少ない
  • 言葉がなかなか増えない
  • コミュニケーションが取りにくい
  • 一度できていたことができなくなった

などが見られる場合は、一度専門家へ相談してみましょう。

相談するタイミングは、「気になったとき」です。

早めに相談することで、お子さんに合った関わり方や必要な支援について知ることができ、保護者の安心にもつながります。

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