小学生の吃音と学校生活の困りごと
小学校では「話す場面」が大きく増えます
小学校に入学すると、保育園や幼稚園よりも話す機会が増えます。
授業中の発表や音読、友達との会話、先生への質問など、毎日の学校生活の中で「話すこと」が求められる場面が数多くあります。
そのため、吃音のある子どもの中には、
「学校では話すのが怖い。」
「また言葉が詰まったらどうしよう。」
と不安を感じるようになることがあります。
一方で、すべての子どもが学校生活で困るわけではありません。困りごとの内容や程度は一人ひとり異なるため、子どもの様子に合わせた支援が大切です。
授業中に発言しづらい
授業では先生から質問され、自分の考えを発表する機会があります。
吃音があると、
「言葉が出なかったらどうしよう。」
「みんなに見られている。」
という気持ちから、発言をためらうことがあります。
本当は答えが分かっていても、手を挙げることを避けるようになる子どももいます。
発言しないことを「やる気がない」と受け取るのではなく、話すことへの不安が背景にある可能性も考えることが大切です。
音読が大きな負担になることがある
国語の授業では、教科書を音読する機会があります。
音読は多くの子どもにとって学習の一つですが、吃音のある子どもにとっては緊張しやすい場面の一つです。
自分の順番が近づくにつれて不安が強くなり、「学校へ行きたくない。」と感じるほど負担になることもあります。
音読が苦手だからといって、勉強が苦手というわけではありません。
話し方と学習能力は別のものとして考えることが大切です。
自己紹介や発表が不安になる
新学期や行事では、
- 自己紹介
- 学習発表
- 音読発表
- グループ発表
など、人前で話す機会があります。
人前で話すこと自体に緊張しやすいため、吃音が強く出ることもあります。
発表が終わった後も、「うまく話せなかった。」と落ち込んでしまう子どももいます。
友達との会話を避けるようになることも
友達との何気ない会話でも、言葉が出にくい経験が続くと、
- 自分から話しかけない
- 遊びに誘えない
- 話したいことを我慢する
ようになることがあります。
その結果、一人で過ごす時間が増えてしまうこともあります。
しかし、友達関係は話すことだけで決まるものではありません。
遊びや共同作業など、言葉以外の関わりから友情が育つこともたくさんあります。
からかわれることがある
小学生は、友達との違いに気付き始める時期です。
悪気がなくても、話し方をまねしたり、笑ったりすることがあります。
こうした経験によって、「また笑われるかもしれない。」
という不安が強くなり、話すこと自体を避けるようになる場合もあります。
学校では、からかいを見過ごさず、相手を尊重することの大切さを伝えていくことが重要です。
話すことを避ける行動が増えることがある
吃音が続くと、
- 電話を代わってもらう
- 発表を休みたがる
- 音読を避ける
- 注文や買い物を家族に頼む
など、「話さなくても済む方法」を選ぶことがあります。
一時的には安心できますが、避けることが続くと、
「自分は話せない。」という気持ちが強くなることがあります。
無理に話させる必要はありませんが、安心できる環境の中で少しずつ挑戦できるよう支えることが大切です。
学校と家庭が連携することが大切
学校で困っていることと、家庭で困っていることは異なる場合があります。
例えば、家庭ではよく話していても、学校ではほとんど発言しない子どももいます。
反対に、学校ではあまり気にならなくても、家では吃音が目立つこともあります。
そのため、
- 学校での様子
- 家庭での様子
- 子どもの気持ち
- 困っている場面
などを保護者と学校で共有しながら支援することが大切です。
必要に応じて、言語聴覚士などの専門家とも連携すると安心です。
学校生活は「話し方」だけで決まるものではない
学校生活では、話すこと以外にも、
- 勉強
- 運動
- 絵を描くこと
- 音楽
- 友達と遊ぶこと
など、さまざまな経験があります。
吃音があるからといって、学校生活すべてが制限されるわけではありません。
子どもの得意なことや好きなことを大切にしながら、「話せたかどうか」だけで学校生活を評価しないことが大切です。
まとめ
小学生になると、授業中の発表や音読、友達との会話など、話す機会が増えるため、吃音による困りごとが目立ちやすくなります。しかし、困りごとの内容は一人ひとり異なります。
学校と家庭が連携し、必要に応じて専門家の支援も受けながら、子どもが安心して学校生活を送れる環境を整えていくことが大切です。
また、話し方だけでなく、子どもの得意なことや努力にも目を向け、自信を育てていきましょう。

