5歳で就学に向けて身につけたい力
はじめに
「もうすぐ小学校ですが、どんな力を身につけておけばよいでしょうか?」
「ひらがなが全部読めないと困りますか?」
「家庭でできる準備を知りたいです。」
5歳頃になると、小学校入学を意識する保護者も多くなります。
「文字を書けるようにしなければ。」
「計算を教えた方がいいのでは。」
と考えることもありますが、就学前に最も大切なのは、勉強の知識よりも、学校生活の土台となる力を育てることです。
この記事では、5歳で就学に向けて身につけたい力と、家庭でできる関わり方について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
人の話を最後まで聞く力
小学校では、先生の話を聞いて行動する場面がたくさんあります。
例えば、
- 「教科書を開いてください。」
- 「プリントを配るので名前を書きましょう。」
など、一度に複数の指示を聞くこともあります。
そのため、
- 最後まで話を聞く
- 内容を理解する
- 指示に沿って行動する
力を育てることが大切です。
家庭でも、話の途中で急かさず、最後まで聞く習慣を少しずつ身につけていきましょう。
自分の考えを伝える力
学校では、
- 発表する
- 分からないことを質問する
- 困ったことを先生へ伝える
など、自分の考えを言葉で伝える機会が増えます。
家庭でも、「どうしてそう思ったの?」「どっちがいいと思う?」など、考えを話す機会を作ることが大切です。
正しい答えを求めるよりも、「自分の言葉で話す経験」を積むことを意識しましょう。
相手の気持ちを考える力
学校生活では、多くの友達と関わります。
そのため、
- 順番を守る
- 相手の話を聞く
- 気持ちを考える
- 譲り合う
といった力も必要になります。
遊びの中で、「お友達はどんな気持ちだったかな?」「どうしたらみんなが楽しく遊べるかな?」と一緒に考える機会を作ることが大切です。
出来事を順番に話す力
学校では、「昨日の出来事を話してください。」「見学で何を見ましたか?」など、経験を説明する場面があります。
例えば、「動物園へ行って、キリンを見て、お弁当を食べた。」というように、順番に話せる力が少しずつ育っていると安心です。
夕食の時間などに、「今日あったことを教えて。」と話す時間を作るのもおすすめです。
文字への興味を育てる
就学前には、ひらがなに興味を持ち始める子どもが増えます。
しかし、すべて読めたり書けたりする必要はありません。
例えば、
- 自分の名前が分かる
- 絵本を読むことが好き
- 文字に興味を持っている
といった経験が、小学校での学習につながります。
無理に書く練習をするよりも、楽しみながら文字に触れることを大切にしましょう。
集中して取り組む力
小学校では、机に向かって活動する時間が増えます。
そのため、
- 絵本を最後まで読む
- パズルを完成させる
- 工作を楽しむ
など、一つの遊びに集中する経験も大切です。
「最後まで頑張れたね。」と過程を認める声かけが、自信につながります。
自分でできることを増やす
学校生活では、自分のことを自分で行う場面が多くなります。
例えば、
- 持ち物を片付ける
- 靴を履く
- 着替えをする
- 手を洗う
- トイレに行く
などです。
言葉の力だけでなく、生活習慣を身につけることも、安心して学校生活を送るために大切です。
「できる・できない」より「学ぶことが楽しい」
就学前になると、「ひらがなが全部書ける。」「100まで数えられる。」といったことに目が向きがちです。
もちろん興味があれば良いことですが、それ以上に大切なのは、
- 新しいことを知るのが楽しい
- 質問するのが好き
- 挑戦することを楽しめる
という気持ちを育てることです。
「できること」を増やすだけでなく、「学びたい」という意欲を育てることが、小学校生活の大きな力になります。
保護者ができること
毎日の会話を大切にする
一日の出来事について話したり、絵本の感想を聞いたりすることで、聞く力・話す力・考える力が育ちます。
遊びの中で学ぶ
しりとりやすごろく、カードゲームなどは、ルールを守る力や語彙、順番を待つ力を育てます。
「勉強」と考えず、遊びとして楽しむことが大切です。
成長を認める
できなかったことではなく、「最後まで話を聞けたね。」「自分で伝えられたね。」
など、成長した部分を具体的に褒めることで、自信を持って学校生活を迎えられるようになります。
まとめ
5歳で就学に向けて育てたい力は、
- 人の話を聞く力
- 自分の考えを伝える力
- 相手を思いやる力
- 出来事を順番に話す力
- 文字への興味
- 集中して取り組む力
- 基本的な生活習慣
などです。
これらは、特別な勉強ではなく、毎日の遊びや親子の会話、生活の中で少しずつ身についていきます。
「小学校の準備」と考えすぎず、親子で楽しく過ごす時間を大切にすることが、子どもの大きな自信につながるでしょう。

