吃音と長く付き合っていくために大切なこと
吃音と向き合うことは、自分らしく生きることにつながります
吃音は、人によって経過が異なります。
幼いうちに自然に改善する人もいれば、大人になっても吃音と付き合いながら生活している人もいます。
そのため、「いつ治るのだろう。」と考え続けるよりも、
「吃音があっても、自分らしく生活するにはどうすればよいか」という視点を持つことも大切です。
現在の吃音支援でも、「吃音を完全になくすこと」だけではなく、本人が安心して生活できることを目標としています。
吃音がある自分を否定しない
吃音があると、
- 「ちゃんと話せない。」
- 「迷惑をかけてしまう。」
- 「自分は人より劣っている。」
と、自分を責めてしまうことがあります。
しかし、吃音は本人の努力不足や性格が原因で起こるものではありません。
話し方だけで、その人の価値が決まるわけでもありません。
まずは、「吃音があっても、自分の価値は変わらない」ということを忘れないようにしましょう。
「どもらないこと」だけを目標にしない
「今日は一度もどもらなかった。」そんな日があるとうれしいものです。
一方で、「今日はたくさんどもってしまった。」という日もあるでしょう。
吃音は、その日の体調や緊張、場面などによって変化することがあります。
そのため、「どもらなかった日」だけを成功と考えると、苦しくなってしまうことがあります。
例えば、
- 自分の考えを伝えられた
- 最後まで話し切れた
- 勇気を出して挑戦できた
など、コミュニケーションそのものに目を向けることも大切です。
話すことを避け続けない
話すことへの不安から、
- 電話を避ける
- 発表を断る
- 注文を家族に頼む
など、話す機会を避けるようになることがあります。
もちろん、無理をする必要はありません。
しかし、避け続けることで、「自分は話せない。」という気持ちが強くなる場合もあります。
安心できる場面から少しずつ挑戦し、「話せた」という経験を積み重ねることが、自信につながります。
自分に合った工夫を見つける
吃音との付き合い方は、人それぞれ異なります。
例えば、
- 話す内容を事前に整理する
- メモを活用する
- 少人数から話し始める
- 十分な睡眠や休息を取る
など、自分に合った工夫を取り入れることで、安心して話しやすくなることがあります。
「どの方法が自分に合うのか」を知ることも、長く付き合っていくうえで大切です。
一人で抱え込まない
吃音の悩みは外見からは分かりにくいため、周囲に理解されず、孤独を感じることがあります。
そんなときは、
- 家族
- 信頼できる友人
- 言語聴覚士
- 当事者会
などに相談することも大切です。
同じ経験を持つ人と話すことで、「自分だけではない。」と感じられ、気持ちが軽くなることもあります。
自分の得意なことを大切にする
人生は「話すこと」だけで成り立っているわけではありません。
仕事や趣味、スポーツ、音楽、創作活動など、自分が好きなことや得意なことを大切にすることで、自信や充実感につながります。
吃音だけに目を向けるのではなく、自分の強みや魅力にも目を向けてみましょう。
周囲の理解を少しずつ広げていく
必要に応じて、家族や友人、学校、職場などに吃音について伝えることで、理解や配慮を得られることがあります。
もちろん、誰にどこまで伝えるかは本人が決めることです。
無理に打ち明ける必要はありませんが、自分が安心して過ごせる環境を少しずつ広げていくことも、長く付き合っていくための一つの方法です。
自分らしい人生を歩むことが大切
現在の吃音支援では、「どもらない人になること」ではなく、
「吃音があっても、自分らしく生活し、自分らしい人生を歩むこと」を大切にしています。
吃音は人生の一部ではあっても、人生そのものではありません。
話し方だけにとらわれず、自分が大切にしたいことや挑戦したいことに目を向けながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
まとめ
吃音と長く付き合っていくためには、どもらないことだけを目標にするのではなく、自分らしく生活し、自分らしくコミュニケーションを取ることを大切にする視点が重要です。
一人で悩まず、周囲の支援を受けながら、自分に合った工夫や付き合い方を見つけていきましょう。吃音があっても、自分らしい人生を歩むことは十分に可能です。

