困ったときに相談できる地域の支援(高次脳機能障害)
高次脳機能障害のある方やご家族は、退院後の生活の中で、
- 「困ったことが増えてきた」
- 「どこへ相談すればいいか分からない」
- 「家族だけでは支えきれない」
と感じることがあります。
退院直後は順調に生活できていても、時間が経つにつれて、
- 復職や復学の悩み
- 家族の負担
- 外出や金銭管理の困りごと
- 利用できる制度についての疑問
など、新しい課題が見えてくることも少なくありません。
そのようなときに大切なのが、地域の支援を活用することです。
高次脳機能障害の支援は、ご本人やご家族だけで行うものではありません。
医療や福祉、行政などさまざまな専門職や支援機関とつながることで、より安心して生活を送ることができます。
この記事では、困ったときに相談できる地域の支援についてご紹介します。
一人で抱え込まないことが大切
高次脳機能障害は、外見からは分かりにくい障害です。
そのため、「相談しても理解してもらえないのでは」「家族だから自分たちで何とかしなければ」と思ってしまう方もいます。
しかし、一人で悩み続けると、ご本人だけでなくご家族の負担も大きくなります。
困ったときは早めに相談することが、問題を大きくしないための第一歩です。
主治医に相談する
体調や症状について困ったことがあれば、まずは主治医へ相談しましょう。
例えば、
- 物忘れがひどくなった
- 疲れやすさが強くなった
- 感情のコントロールが難しい
- 生活で困ることが増えた
など、気になる変化があれば遠慮せずに伝えることが大切です。
必要に応じて、他の専門職や支援機関を紹介してもらえることもあります。
リハビリスタッフへ相談する
退院後も、
- 言語聴覚士(ST)
- 作業療法士(OT)
- 理学療法士(PT)
などのリハビリスタッフは、生活についての相談相手になります。
例えば、
- 自宅での練習方法
- 家族の接し方
- 外出や買い物の工夫
- 復職・復学に向けた準備
など、生活に合わせた具体的なアドバイスを受けることができます。
高次脳機能障害支援拠点
各都道府県には、高次脳機能障害支援拠点があります。
ここでは、
- 高次脳機能障害についての相談
- 利用できる制度の案内
- 地域の支援機関の紹介
- ご本人やご家族への支援
などを受けることができます。
「どこへ相談したらいいか分からない」という場合にも、最初の相談窓口として利用しやすい機関です。
地域包括支援センター
65歳以上の方や介護保険を利用する方は、地域包括支援センターも身近な相談先です。
介護保険だけでなく、
- 地域で利用できるサービス
- ケアマネジャーの紹介
- ご家族の介護に関する相談
など、生活全般について相談できます。
医療ソーシャルワーカー
病院には、医療ソーシャルワーカー(MSW)が配置されていることがあります。
医療ソーシャルワーカーは、
- 福祉制度
- 障害福祉サービス
- 経済的な相談
- 退院後の生活
などについて支援してくれる専門職です。
「制度が難しくて分からない」というときには、とても心強い存在です。
家族会や患者会を利用する
同じ立場の方と話すことも、大切な支援の一つです。
家族会や患者会では、
- 悩みを共有する
- 経験談を聞く
- 地域の情報を知る
ことができます。
「自分だけではない」と感じられることは、大きな安心につながります。
市区町村の相談窓口
市区町村には、障害福祉や介護保険に関する相談窓口があります。
例えば、
- 障害福祉サービス
- 介護保険
- 福祉制度
- 各種手当
などについて相談できます。
制度は自治体によって異なることもあるため、分からないことがあれば早めに確認しましょう。
小さな悩みでも相談してよい
「まだ相談するほどではない」と思ってしまう方もいます。
しかし、小さな困りごとでも、早めに相談することで解決できることが少なくありません。
例えば、
- 家事がうまくできない
- 外出が不安
- 家族が疲れている
- 復職について迷っている
など、どのような内容でも相談して構いません。
専門職は、ご本人やご家族と一緒に解決方法を考えてくれます。
支援につながることが安心した生活につながる
高次脳機能障害では、すべてを自分や家族だけで解決しようとする必要はありません。
地域には、ご本人やご家族を支えるためのさまざまな支援があります。
困ったときに相談できる場所を知っておくことは、安心して生活を続けるための大きな支えになります。
まとめ
高次脳機能障害のある方やご家族が困ったときは、主治医やリハビリスタッフ、高次脳機能障害支援拠点、地域包括支援センター、医療ソーシャルワーカーなど、さまざまな相談先があります。
また、家族会や患者会、市区町村の相談窓口なども、生活を支える大切な地域資源です。
一人で悩みを抱え込まず、困ったことがあれば早めに相談することで、利用できる制度や支援につながりやすくなります。
地域には、ご本人とご家族を支えるための多くの人がいます。安心して生活を続けるためにも、「相談すること」をためらわず、地域の支援を積極的に活用していきましょう。

