遺伝は関係するの?
吃音には遺伝的な要因が関係すると考えられています
「家族にも吃音がある人がいるのですが、遺伝するのでしょうか。」
これは、保護者からよく寄せられる質問の一つです。
現在の研究では、吃音には遺伝的な要因が関係していることがわかっています。
ただし、「遺伝するから必ず吃音になる」というわけではありません。
遺伝は、吃音が起こる多くの要因の一つと考えられています。
家族に吃音のある人がいることがある
吃音のある人の中には、
- 父親
- 母親
- 兄弟姉妹
- 祖父母
- おじ・おば
など、家族や親戚にも吃音のある人がいる場合があります。
このことから、以前から遺伝との関係が指摘されてきました。
近年では、双子や家族を対象とした研究によって、遺伝的な影響があることが支持されています。
遺伝だけで決まるわけではない
遺伝が関係していると聞くと、「親が吃音だから子どもも必ず吃音になる」と思う方もいるかもしれません。
しかし、そのようなことはありません。実際には、
- 家族に吃音があっても発症しない人
- 家族に誰も吃音がいないのに発症する人
の両方がいます。
つまり、遺伝だけで吃音が決まるわけではありません。
複数の要因が重なって発症する
現在では、吃音は
- 遺伝的要因
- 脳の働き
- 発達
- 環境要因
など、さまざまな要因が組み合わさって起こると考えられています。
遺伝は「吃音になりやすさ」に関係する可能性がありますが、それだけで発症するわけではありません。
そのため、「遺伝だから仕方ない」と考える必要もありません。
特定の遺伝子だけが原因ではない
これまでの研究では、吃音と関連するいくつかの遺伝子が報告されています。
しかし、「この遺伝子があるから必ず吃音になる」というような遺伝子は見つかっていません。
複数の遺伝子が少しずつ影響し合い、さらに発達や環境なども加わって吃音が生じると考えられています。
保護者が自分を責める必要はありません
子どもが吃音になると、「自分のせいで遺伝してしまったのではないか」と悩む保護者もいます。
しかし、遺伝は本人や保護者が選べるものではありません。
また、遺伝だけで吃音が決まるわけでもありません。
保護者が自分を責める必要はなく、子どもが安心して話せる環境をつくることの方がはるかに大切です。
将来、子どもに遺伝するの?
吃音のある方の中には、「自分の子どもにも遺伝するのでしょうか」と心配される方もいます。
確かに、一般の人より発症する可能性はやや高くなると考えられています。
しかし、
- 必ず遺伝するわけではない
- 発症しても自然に改善することがある
ため、必要以上に不安になる必要はありません。
子どもの言葉の発達を見守り、気になることがあれば早めに専門家へ相談すると安心です。
遺伝よりも大切なのは支援
現在の医学では、遺伝そのものを変えることはできません。
しかし、
- 正しい知識を持つ
- 家庭で安心して話せる環境をつくる
- 必要に応じて言語聴覚士へ相談する
ことで、本人が安心して生活できるよう支援することは十分に可能です。
「遺伝するかどうか」だけに注目するのではなく、「どのように支えていくか」を考えることが大切です。
まとめ
吃音には遺伝的な要因が関係していることがわかっています。しかし、遺伝だけで発症が決まるわけではなく、脳の働きや発達、環境など複数の要因が関係しています。
家族に吃音のある人がいても必ず遺伝するわけではありませんし、家族歴がなくても吃音になることがあります。保護者が自分を責める必要はなく、安心して話せる環境づくりと適切な支援が何より大切です。

