復職を目指すときに大切なこと(高次脳機能障害)
高次脳機能障害のある方にとって、復職は大きな目標の一つです。
仕事に戻ることは、
- 生活リズムを整える
- 社会とのつながりを取り戻す
- 自信を回復する
- 経済的な安心につながる
など、多くの意味があります。しかし一方で、
- 「以前と同じように働けるだろうか」
- 「職場に迷惑をかけないだろうか」
- 「症状を理解してもらえるだろうか」
と不安を感じる方も少なくありません。
高次脳機能障害では、身体の麻痺が軽くても、記憶や注意、段取りなどに影響が残ることがあります。
そのため、焦って復職すると、仕事が続かなかったり、自信を失ってしまったりすることもあります。
大切なのは、「早く戻ること」ではなく、「長く安心して働き続けること」です。
この記事では、復職を目指すときに大切なポイントについて解説します。
まずは現在の状態を知る
復職を考える前に、現在の自分の状態を把握することが大切です。
例えば、
- 長時間集中できるか
- 疲れやすさはどの程度か
- 忘れ物は多くないか
- 一日の予定を管理できるか
などを確認します。
自分の得意なことと苦手なことを理解することで、無理のない復職につながります。
焦って復職しない
「早く仕事へ戻らなければ」という気持ちは自然なことです。
しかし、十分に回復しないまま復職すると、疲労がたまり、
- ミスが増える
- 体調を崩す
- 自信を失う
ことがあります。
復職はゴールではなく、新しい生活のスタートです。
焦らず、準備を整えてから復職することが大切です。
主治医やリハビリスタッフへ相談する
復職については、自分だけで判断せず、
- 主治医
- 言語聴覚士
- 作業療法士
- 理学療法士
などと相談しながら進めましょう。
必要に応じて、認知機能の評価や、仕事に必要な能力について確認してもらうこともできます。
客観的な評価を参考にすることで、より安全な復職計画を立てられます。
職場とよく話し合う
復職する際は、職場との相談も欠かせません。
例えば、
- 勤務時間を短くする
- 業務内容を調整する
- 残業を減らす
- 定期的に休憩を取る
など、配慮してもらえることがあります。
無理をして以前と同じ働き方を目指すのではなく、
今の自分に合った働き方を一緒に考えることが大切です。
生活リズムを整える
仕事を始めると、毎日決まった時間に起き、活動することになります。
そのため、復職前から、
- 朝決まった時間に起きる
- 日中に活動する
- 十分な睡眠を取る
など、仕事を意識した生活リズムを作っておきましょう。
規則正しい生活は、体力や集中力の維持にもつながります。
疲れやすさを理解する
高次脳機能障害では、見た目には元気でも、脳が疲れやすいことがあります。
疲れると、
- 集中力が低下する
- 判断力が落ちる
- ミスが増える
ことがあります。
そのため、仕事中も適度に休憩を取り、無理をしないことが大切です。
「頑張りすぎない」ことが、長く働き続けるためのポイントです。
復職前に練習する
いきなり仕事へ戻るのではなく、生活の中で少しずつ準備を進めることも大切です。
例えば、
- 毎日決まった時間に活動する
- 家事を続ける
- パソコン作業を行う
- 外出する機会を増やす
など、仕事に近い生活を意識すると、復職後の負担を減らしやすくなります。
利用できる支援を活用する
復職に向けては、さまざまな支援機関があります。
例えば、
- 地域障害者職業センター
- 就労移行支援事業所
- ハローワーク
- 高次脳機能障害支援拠点
などです。
仕事の練習や職場との調整など、専門的な支援を受けられることがあります。
一人で悩まず、積極的に相談しましょう。
「元通り」ではなく「自分らしい働き方」を考える
発症前と同じ仕事内容や働き方が難しい場合もあります。
しかし、働き方は一つではありません。
勤務時間を調整したり、仕事内容を見直したりすることで、無理なく働き続けられることもあります。
大切なのは、「以前と同じかどうか」ではなく、「今の自分に合った働き方かどうか」です。
長く働き続けることを目標にする
復職は、「仕事へ戻ること」が目的ではありません。
その後も、安心して働き続けられることが最も大切です。
無理をして体調を崩してしまっては、本末転倒です。
ご本人、家族、職場、医療・福祉の専門職が協力しながら、長く働き続けられる環境を整えていきましょう。
まとめ
高次脳機能障害のある方が復職を目指すときは、現在の状態を正しく把握し、主治医やリハビリスタッフ、職場と相談しながら準備を進めることが大切です。
また、疲れやすさを理解し、勤務時間や仕事内容を調整するなど、無理のない働き方を考えることも重要です。
復職は「元の生活に戻ること」ではなく、「自分らしく働き続けること」を目指すものです。
焦らず一歩ずつ準備を進め、自分に合った働き方を見つけながら、安心して社会復帰を目指していきましょう。

