家族が気づきたい嚥下障害のサイン
「家族の飲み込みが少し気になります。」
「本人は『大丈夫』と言っていますが、本当に問題ないのでしょうか?」
「どのような変化に気をつければよいですか?」
嚥下障害は、ある日突然まったく飲み込めなくなることは少なく、多くの場合は少しずつ進行していきます。
そのため、毎日一緒に生活しているご家族だからこそ気づける小さな変化があります。
「年齢のせいだから仕方ない」と思って見過ごしてしまうと、誤嚥性肺炎や低栄養につながることもあります。
この記事では、ご家族が気づきたい嚥下障害のサインについてわかりやすく解説します。
「最近変わったな」が大切なサイン
嚥下障害では、「これがあれば必ず嚥下障害」という症状があるわけではありません。
大切なのは、「以前と比べて変化があるかどうか」です。
例えば、
- 食べる速度が遅くなった
- むせる回数が増えた
- 食事量が減った
といった変化は、飲み込みの機能が低下しているサインかもしれません。
食事中によくむせる
最も気づきやすいサインが、食事中のむせです。特に、
- 毎日のようにむせる
- 水やお茶でよく咳き込む
- 食事のたびに咳が出る
という場合は、嚥下障害が関係している可能性があります。
一度だけむせることは健康な人にもありますが、繰り返す場合は注意が必要です。
食事の時間が長くなった
以前は30分ほどで食べ終わっていたのに、
- 1時間近くかかる
- 途中で何度も休憩する
ようになった場合は、飲み込みや噛む力が低下している可能性があります。
「ゆっくり食べるようになった」と思っていても、実際には食べることが負担になっていることがあります。
食後に声がガラガラになる
食後だけ、
- 声が濁る
- ガラガラした声になる
- ゴロゴロした声になる
場合は、食べ物や唾液がのどに残っている可能性があります。
このような**湿性嗄声(しっせいさせい)**は、誤嚥のサインの一つです。
食後に咳払いや痰が増える
食事が終わった後に、
- 咳払いを繰り返す
- 痰が増える
- ゴホゴホと咳をする
ことも、飲み込みの問題を示している場合があります。
「食後だけ」という点がポイントです。
食事量が減った・体重が減った
嚥下障害では、
- 食べるのに時間がかかる
- むせるのが怖い
ため、少しずつ食事量が減ることがあります。
その結果、
- 体重が減る
- 筋力が低下する
- 疲れやすくなる
などの変化がみられることがあります。
よだれが増えた
以前より、
- よだれが口からこぼれる
- 口の周りが濡れていることが多い
場合は、唾液を飲み込む力が低下している可能性があります。
特に、パーキンソン病や脳卒中ではよくみられる症状です。
発熱を繰り返す
高齢者では、原因不明の発熱を繰り返している場合、誤嚥性肺炎が隠れていることがあります。
特に、
- 食事中によくむせる
- 食後に声が変わる
といった症状があれば、早めの受診をおすすめします。
本人が気づいていないことも多い
嚥下障害では、本人よりも家族の方が先に異変へ気づくことが少なくありません。
また、不顕性誤嚥では、誤嚥していても咳やむせが出ないため、
本人は「普通に食べられている」と思っていることもあります。
そのため、ご家族の観察は非常に重要です。
このような変化があれば相談を
次のような症状がみられる場合は、一度医療機関へ相談しましょう。
- 食事中によくむせる
- 水分で咳き込む
- 食事時間が長くなった
- 食後に声がガラガラになる
- 食後に痰が増える
- 食べ物が口やのどに残る
- 体重が減った
- 発熱を繰り返す
これらは嚥下障害や誤嚥が関係している可能性があります。
家族ができること
ご家族ができる最も大切なことは、
食べ方の変化に気づくことです。
無理に食べさせたり、「頑張って飲み込んで」と励ましたりするのではなく、
- いつ頃から変わったか
- どんな食べ物で起こるか
- 食後の様子はどうか
などを観察しておくと、受診時にも役立ちます。
まとめ
嚥下障害は、小さな変化から始まることが少なくありません。
ご家族が気づきたいサインには、
- 食事中によくむせる
- 食事時間が長くなった
- 食後に声がガラガラになる
- 食後に痰が増える
- 食事量や体重が減る
- 発熱を繰り返す
などがあります。
これらの変化は、「年齢のせい」と思われがちですが、嚥下障害や誤嚥性肺炎のサインであることもあります。
毎日の食事を一番近くで見守るご家族だからこそ気づける変化があります。
「少し気になるな」と感じたら、早めに医療機関へ相談することが、安全に食べ続けるための第一歩です。

