自分らしい生活を続けるために(高次脳機能障害)
高次脳機能障害になると、退院した後も、「以前のような生活に戻れない」「これから先、どう生きていけばいいのだろう」と不安になることがあります。
記憶障害や注意障害、遂行機能障害などによって、これまで当たり前にできていたことが難しくなると、自信を失ってしまうことも少なくありません。
しかし、高次脳機能障害があっても、自分らしい生活を続けることは十分に可能です。
大切なのは、以前と同じ生活を無理に目指すことではなく、今の自分に合った生活を少しずつ築いていくことです。
この記事では、自分らしい生活を続けるために大切な考え方をご紹介します。
「以前の自分」と比べすぎない
高次脳機能障害になると、「前はもっとできたのに」「以前の自分なら簡単だった」と考えてしまうことがあります。
その気持ちはとても自然なものです。
しかし、過去と比べ続けると、できないことばかりが目についてしまいます。
大切なのは、「昨日より少しできるようになった」「今日は自分なりによく頑張れた」というように、今の自分の成長へ目を向けることです。
「できること」を大切にする
障害があると、どうしても苦手なことに意識が向いてしまいます。
しかし、生活には、
- 家族と話せる
- 趣味を楽しめる
- 散歩へ行ける
- 買い物ができる
など、今もできていることがたくさんあります。
できることを活かしながら生活することが、自信や生きがいにつながります。
無理をしない生活を選ぶ
高次脳機能障害では、疲れやすさが続くことがあります。
無理をして頑張りすぎると、体調を崩したり、ミスが増えたりすることがあります。
そのため、
- 疲れたら休む
- 予定を詰め込みすぎない
- 自分のペースで行動する
ことを意識しましょう。
無理をしないことは、決して「甘え」ではありません。
長く生活を続けるために必要な工夫です。
「工夫する力」を身につける
高次脳機能障害では、困りごとがゼロになるとは限りません。
しかし、生活を工夫することで、できることが増える場合があります。
例えば、
- メモを使う
- スマートフォンで予定を管理する
- チェックリストを作る
- 家事を一つずつ行う
など、自分に合った方法を見つけることが大切です。
「頑張る」のではなく、「工夫する」という視点を持ちましょう。
人とのつながりを大切にする
家族や友人、地域の人との交流は、生活を豊かにしてくれます。
人と話したり、一緒に笑ったりする時間は、心の健康にもつながります。
一人で過ごす時間も大切ですが、無理のない範囲で人とのつながりを持ち続けることをおすすめします。
趣味や楽しみを持つ
生活が、病院やリハビリだけになってしまうと、気持ちも疲れてしまいます。
散歩や写真、音楽、園芸、読書など、「楽しい」と思える時間を生活の中へ取り入れましょう。
楽しみがあることは、毎日の活力になります。
助けを求めることも大切
困ったことがあれば、一人で抱え込む必要はありません。
家族や友人、主治医、言語聴覚士、作業療法士、高次脳機能障害支援拠点など、相談できる人はたくさんいます。
助けを求めることは、自立できていないことではなく、安心して生活を続けるための大切な力です。
将来も少しずつ考えていく
将来について考えると、不安になることもあります。
しかし、将来は一度に決めるものではありません。
その時々の生活に合わせて、働き方や住まい、生活の方法を少しずつ考えていけば十分です。
焦る必要はありません。
家族も自分らしく過ごす
ご家族も、介護や支援だけが生活になってしまうと、心も体も疲れてしまいます。
趣味や友人との時間、休息を大切にすることは、ご家族自身の健康だけでなく、長く支え続けることにもつながります。
ご本人だけでなく、家族も自分らしい生活を送ることが大切です。
「自分らしさ」はこれからも変わらない
高次脳機能障害になると、できなくなることはあるかもしれません。
しかし、好きなこと、大切な人、笑顔になれる時間、夢や希望まで失われるわけではありません。
人生は障害だけで決まるものではありません。
これからも、新しい経験を重ねながら、自分らしい人生を作っていくことができます。
まとめ
高次脳機能障害があっても、自分らしい生活を続けることは十分可能です。
過去と比べすぎず、今できることを大切にしながら、生活の中で工夫を重ねていきましょう。
また、人とのつながりや趣味、地域の支援を活用することは、生活をより豊かにしてくれます。
大切なのは、「以前と同じ生活」に戻ることではなく、「今の自分らしい生活」を築いていくことです。
焦らず、一歩ずつ、自分らしい毎日を積み重ねていきましょう。その積み重ねが、これからの人生を豊かにしてくれるはずです。

