高次脳機能障害はどのくらいの人がなる?
高次脳機能障害と診断されたとき、
「この障害になる人は多いの?」
「自分だけが特別なケースなの?」
と疑問に思う方もいるかもしれません。
高次脳機能障害は、一般にはあまり知られていませんが、決して珍しい障害ではありません。
実際には多くの方が高次脳機能障害による困りごとを抱えながら生活しています。
この記事では、高次脳機能障害の患者数や発症の実態についてわかりやすく解説します。
高次脳機能障害の人はどのくらいいる?
高次脳機能障害は、脳卒中や頭部外傷などによって脳が損傷されることで起こります。
しかし、高次脳機能障害だけを正確に把握する全国調査は少なく、実際の人数を正確に示すことは簡単ではありません。
厚生労働省の高次脳機能障害支援モデル事業などの調査では、全国で数十万人規模の方が高次脳機能障害を抱えていると推定されています。
また、診断や支援につながっていない人も多く、実際の人数はさらに多い可能性があります。
脳卒中後に高次脳機能障害はよくみられる
高次脳機能障害の最も多い原因は脳卒中です。
日本では毎年多くの方が、
- 脳梗塞
- 脳出血
- くも膜下出血
を発症しています。
脳卒中後には、
- 記憶障害
- 注意障害
- 遂行機能障害
- 半側空間無視
などがみられることがあり、高次脳機能障害は決して珍しい後遺症ではありません。
手足の麻痺が軽くても、高次脳機能障害だけが残る場合もあります。
頭部外傷による高次脳機能障害も多い
交通事故や転落事故などによる外傷性脳損傷も、高次脳機能障害の大きな原因です。
特に若い世代では、
- 交通事故
- バイク事故
- スポーツ事故
などによって発症するケースが少なくありません。
脳卒中と異なり、働き盛りの世代で起こることが多いため、就学や就労への影響が大きくなることがあります。
なぜ実際より少なく見えるの?
高次脳機能障害は「見えない障害」と呼ばれることがあります。
その理由は、外見から分かりにくいからです。
例えば、
- 歩ける
- 会話できる
- 食事できる
という状態であれば、周囲は「回復した」と感じるかもしれません。
しかし実際には、
- 忘れっぽい
- 集中できない
- 段取りが立てられない
といった困難を抱えていることがあります。
そのため、高次脳機能障害があっても診断されていなかったり、周囲に理解されていなかったりするケースも少なくありません。
若い人でもなるの?
「高次脳機能障害は高齢者の障害」というイメージを持つ方もいます。
しかし実際には、若い世代でも発症します。
例えば、
- 交通事故
- スポーツ外傷
- 脳炎
- 脳腫瘍
などが原因になることがあります。
学生や会社員、子育て世代で発症することもあり、年齢に関係なく起こりうる障害です。
高次脳機能障害を抱える家族も多い
高次脳機能障害は本人だけの問題ではありません。
ご家族も、
- 何度も同じ説明をする
- 感情の変化に対応する
- 生活のサポートを行う
など、多くの負担を抱えることがあります。
そのため、高次脳機能障害は本人だけでなく家族も支援が必要な障害といえます。
一人で悩んでいる人は少なくない
高次脳機能障害は認知度がまだ十分とはいえません。
そのため、
- 周囲に理解されない
- 職場で困っている
- 家族以外に相談できない
という方も多くいます。
しかし同じような悩みを抱えている方は全国にたくさんいます。
支援機関や家族会、医療機関などにつながることで、解決の糸口が見つかることもあります。
まとめ
高次脳機能障害は決して珍しい障害ではありません。
全国で数十万人規模の方が高次脳機能障害を抱えていると考えられており、脳卒中や頭部外傷の後によくみられます。
また、見た目では分かりにくいため、診断や支援につながっていない方も少なくありません。
高次脳機能障害について正しく知ることで、「自分だけではない」と感じられることがあります。困りごとがある場合は、一人で抱え込まず専門機関へ相談することが大切です。

