家庭でできる吃音への支援

家庭は子どもが安心して話せる大切な場所です

吃音のある子どもにとって、家庭は一日の中で最も長い時間を過ごす場所です。

そのため、家庭での関わり方は、子どもが安心して話せるかどうかに大きく影響します。

ただし、「家庭で何か特別な訓練をしなければならない」というわけではありません。

家庭で最も大切なのは、子どもが安心して話せる環境をつくることです。


最後まで話を聞く

吃音があると、話すのに時間がかかることがあります。

そのときに、

  • 話を急がせる
  • 言葉を先に言ってしまう
  • 途中で話題を変える

と、子どもは

「最後まで話せなかった」と感じてしまうことがあります。

少し時間がかかっても、最後まで話を聞く姿勢を大切にしましょう。


話し方ではなく内容に注目する

保護者は、「どもらずに話せたかな。」と話し方に目が向きがちです。

しかし、子どもが伝えたいのは「話し方」ではなく「話の内容」です。

例えば、「今日は公園で遊んだよ。」と言ったら、

「公園で何して遊んだの?」と内容について会話を広げましょう。

話し方よりも伝えたいことを受け止めてもらえる経験は、子どもの安心感につながります。


話を急がせない

忙しい朝や外出前などは、「早く言って。」と言いたくなることもあるでしょう。

しかし、急かされることで緊張し、吃音が強くなることがあります。

時間に余裕があるときはもちろん、忙しいときでもできるだけ落ち着いて話を聞くことを心がけましょう。


「ゆっくり話して」と繰り返し言わない

保護者は良かれと思って、

  • 「ゆっくり話して。」
  • 「落ち着いて。」
  • 「深呼吸して。」

と声をかけることがあります。

しかし、これらの言葉を繰り返されると、

子どもは「自分の話し方はおかしいんだ。」と意識しすぎてしまうことがあります。

話し方を直そうとするよりも、安心して話せる雰囲気をつくることが大切です。


家族みんなでゆったり話す

子どもだけに、「ゆっくり話して。」と求めるのではなく、

家族全員が少しゆったりしたペースで話すことも効果的です。

例えば、

  • 一人ずつ話す
  • 相手の話を最後まで聞く
  • テレビを消して会話を楽しむ

など、家庭全体で落ち着いた会話を意識すると、子どもも自然と話しやすくなります。


子どもの気持ちを受け止める

学童期以降になると、

  • 「またどもった。」
  • 「発表したくない。」

と悩みを打ち明けることがあります。

そのときは、「そんなこと気にしなくていいよ。」とすぐに励ますのではなく、

まずは、

「そう感じたんだね。」
「発表は緊張するよね。」

と気持ちを受け止めることが大切です。

理解してもらえたという安心感が、子どもの心の支えになります。


成功体験を大切にする

吃音があると、「今日はどもらなかった。」ことよりも、

「今日は話せなかった。」ことが印象に残りやすくなります。

そのため、

  • 最後まで話せた
  • 発表に挑戦できた
  • 自分から友達に話しかけられた

など、小さな成功を一緒に喜びましょう。

結果よりも、「挑戦したこと」を認めることが、自信につながります。


家族だけで抱え込まない

保護者は、「自分の接し方が悪かったのでは。」と悩むことがあります。

しかし、吃音は育て方だけが原因で起こるものではありません。

困ったときは、

  • 言語聴覚士
  • 医師
  • 学校の先生
  • 地域の相談機関

などに相談することも大切です。

保護者自身が安心できることは、子どもにとっても良い影響につながります。


家庭は「安心して話せる場所」であることが一番大切

家庭では、上手に話すことよりも、「話してよかった。」と思える経験を増やすことが何より重要です。

子どもが、「家では安心して話せる。」と感じられることが、学校や社会で話す自信にもつながっていきます。


まとめ

家庭でできる吃音への支援で最も大切なのは、安心して話せる環境をつくることです。

最後まで話を聞き、話し方ではなく内容に注目し、急がせない関わりを心がけましょう。

また、子どもの気持ちを受け止め、小さな成功体験を一緒に喜ぶことが、自信につながります。

一人で悩まず、必要に応じて言語聴覚士などの専門家と相談しながら支援を続けていくことが大切です。

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