園や学校では発音をその都度直してもらった方がいい?
子どもに発音の誤りがあると、
「先生にも間違えるたびに直してもらった方が、早く正しい発音になるのでは?」
と考えることがあります。
しかし、園や学校で発音を間違えるたびに訂正してもらうことが、必ずしもよいとは限りません。
大切なのは、構音訓練の時間と日常のコミュニケーションを分けて考えることです。
基本的には毎回直す必要はない
園や学校での会話では、発音を間違えるたびに訂正する必要はありません。
例えば、子どもが先生に一生懸命出来事を話している途中で、
「今の発音が違うよ。もう一回」
と何度も会話を止められると、話したかった内容よりも発音に意識が向いてしまいます。
園や学校では、まず**「何を伝えようとしているのか」**を受け止めることが大切です。
何度も言わせれば正しくなるとは限らない
構音障害の場合、本人が誤りに気付いていなかったり、正しい舌の位置や動かし方をまだ習得していなかったりすることがあります。
そのため、
「もう一回言ってみて」
と繰り返しても、同じ発音になることがあります。
正しい音をつくる練習には、その子の状態に合わせた段階的な訓練が必要です。
単純に発音回数を増やせばよいわけではありません。
授業中の発言は「内容」を優先する
小学校では、授業中に発表する機会があります。
例えば算数の問題に正しく答えているのに、発音だけを理由に何度も言い直させると、本来の学習内容とは別のところで負担が生じます。
授業中は、
「答えが合っているか」
「自分の考えを伝えられているか」
といった授業本来の目的を優先します。
発音の練習は別の場面で行う方がよいでしょう。
音読では目的を考える
音読の場合は少し注意が必要です。
文章を正しく読めているか確認する活動では、読み間違いなのか、構音の問題によって違う音に聞こえているのかを分けて考える必要があります。
例えば、文字として「さかな」と正しく認識していても、「さ」が別の音になって聞こえることがあります。
この場合、読み方を理解していないとは限りません。
先生が子どもの発音の特徴を知っていると判断しやすくなります。
訂正するなら「練習の場面」を決める
構音訓練を受けていて、言語聴覚士などから具体的な練習方法を教わっている場合には、決められた場面で発音を確認することがあります。
例えば、
「今は『さ』の練習をする時間だよ」
と、子ども自身も発音練習だと理解している場面です。
このような場面では、正しい発音ができているか確認する意味があります。
一方、休み時間の会話や授業中の発言まで常に訓練の場にする必要はありません。
自分で言い直したときは自然に受け止める
構音訓練が進むと、子ども自身が、
「たかな……あ、さかな」
と気付いて言い直すことがあります。
その場合は、「そうだね」と自然に受け止めれば十分です。
本人が自分の発音に気付き、修正できるようになることは、練習した発音を日常会話へ広げていく過程の一つです。
本人が発音を気にしている場合は特に配慮する
すでに発音を気にしている子どもでは、みんなの前で何度も訂正されることが負担になる場合があります。
特に、
- 発表を嫌がる
- 音読を避ける
- 声が小さくなる
- 話す前に発音を何度も確認する
といった様子がある場合には注意します。
発音を正しくすること以上に、安心して授業や会話に参加できることを大切にしましょう。
先生と「どこまで直すか」を共有する
構音訓練を受けている場合には、保護者・先生・言語聴覚士などで対応を共有できると理想的です。
例えば、
「普段の会話では訂正しない」
「本人が自分で気付いたときは見守る」
「決められた練習場面では確認する」
といったように、場面ごとの対応を決めておきます。
先生が「直した方がいいのか、直さない方がいいのか」と迷わずに済みます。
まとめ
園や学校では、子どもが発音を間違えるたびに、その都度直してもらう必要はありません。
特に日常会話や授業中の発表では、発音の正しさよりも、子どもが伝えようとしている内容や授業への参加を優先することが大切です。
一方、構音訓練の一環として決められた練習を行う場合には、正しい発音を確認することがあります。
つまり、
普段の会話・授業 → コミュニケーションを優先する
構音練習の場面 → 発音を確認する
というように分けて考えると分かりやすいでしょう。
園や学校のすべての時間を「発音練習の時間」にするのではなく、子どもが安心して話し、授業や友達との会話に参加できる環境をつくることが大切です。
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