幼児期の聞こえで気を付けたいこと
「子どもを呼んでも返事をしないことがあります。」
「言葉の発達がゆっくりなのは、聞こえが関係しているのでしょうか。」
幼児期は、言葉やコミュニケーションの力が大きく発達する大切な時期です。
この時期に聞こえにくさがあると、言葉の発達だけでなく、遊びや集団生活にも影響が出ることがあります。
一方で、幼児は自分から「聞こえにくい」と伝えることが難しいため、周囲の大人が変化に気付くことが大切です。
この記事では、幼児期の聞こえで気を付けたいことについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
幼児期は言葉が大きく発達する時期
1~6歳頃は、語彙が増え、会話が上達し、友達とのやり取りも増えていく時期です。
子どもは、周囲の会話を聞きながら言葉を覚えていきます。
そのため、聞こえにくさがあると、言葉の習得に時間がかかることがあります。
聞こえにくさのサイン
幼児では、次のような様子がみられることがあります。
- 名前を呼んでも反応しないことがある
- テレビの音量を大きくしたがる
- 「え?」「もう一回」と聞き返すことが多い
- 話しかけても聞き間違いが多い
- 言葉の発達がゆっくりに感じる
- 集団での指示が分かりにくそうにしている
これらは必ずしも聴覚障害が原因とは限りませんが、気になる様子が続く場合は、一度相談することをおすすめします。
中耳炎による聞こえにくさにも注意
幼児期は、風邪をひいたあとなどに中耳炎を繰り返すことがあります。
特に滲出性中耳炎では、耳の中に液体がたまり、聞こえにくくなることがあります。
痛みが少ない場合もあるため、保護者が気付きにくいことも少なくありません。
聞こえにくさが長く続く場合は、耳鼻咽喉科で診てもらうことが大切です。
保育園や幼稚園での様子も参考にする
家庭では問題なく見えても、保育園や幼稚園では、集団生活の中で聞こえにくさが目立つことがあります。
例えば、
- 先生の話を聞き逃す
- 呼ばれても気付かない
- 歌や手遊びについていきにくい
- 集団での活動に遅れることがある
などです。
家庭と園で様子を共有することで、早期発見につながることがあります。
言葉の発達だけで判断しない
言葉がゆっくりだからといって、必ずしも聞こえに問題があるとは限りません。
一方で、聞こえにくさが原因で言葉の発達に影響が出ている場合もあります。
そのため、「様子を見よう」と長期間そのままにするのではなく、必要に応じて聞こえの検査を受けることが大切です。
家庭でできる関わり方
幼児期は、日常生活の中でのコミュニケーションが発達につながります。
例えば、
- 顔を見て話しかける
- ゆっくり、はっきり話す
- 絵本を一緒に読む
- 遊びの中でたくさん会話する
- 子どもの話を最後まで聞く
などを心掛けることで、安心して言葉を学べる環境を作ることができます。
気になるときは早めに相談しよう
「聞こえにくいのかもしれない」と思っても、成長による個人差との区別は難しいものです。
だからこそ、少しでも気になることがあれば、耳鼻咽喉科で聞こえを確認することが大切です。
早めに原因が分かれば、必要な治療や支援につなげることができます。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、聞こえと言葉の発達を支援する専門職です。
聞こえの状態を確認しながら、年齢に合わせた言葉の発達を評価し、家庭での関わり方や遊びを通したコミュニケーションの方法についてアドバイスを行います。
また、必要に応じて耳鼻咽喉科や保育園・幼稚園などと連携しながら支援を進めます。
保護者が安心して見守るために
子どもの成長には個人差があります。
聞こえや言葉の発達も、一人ひとり異なります。
大切なのは、「まだ小さいから大丈夫」と決めつけたり、反対に必要以上に心配したりすることではありません。
気になることがあれば専門家へ相談し、必要に応じてサポートを受けながら、お子さんの成長を見守っていきましょう。
まとめ
幼児期は言葉やコミュニケーションが大きく発達する大切な時期です。この時期の聞こえにくさは、言葉の発達や集団生活に影響を与えることがあります。
名前を呼んでも反応しない、聞き返しが多い、中耳炎を繰り返すなど気になる様子がある場合は、早めに耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
また、言語聴覚士の支援を受けながら、家庭や園で子どもの成長を温かく見守ることが大切です。

