新生児・乳児の聴覚障害の特徴
「赤ちゃんは音に反応しているかな?」
「耳が聞こえているか心配です。」
赤ちゃんは、生まれたばかりの頃から周囲の音を感じ取り、少しずつ言葉を覚える準備を始めています。
そのため、生まれつき、あるいは生後間もなく聴覚障害がある場合は、できるだけ早く気付き、必要な支援を始めることが大切です。
現在では、多くの医療機関で新生児聴覚スクリーニング検査が行われており、早期発見・早期支援につながる体制が整いつつあります。
この記事では、新生児・乳児の聴覚障害の特徴や、ご家族が知っておきたいポイントについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
新生児・乳児の聴覚障害とは?
新生児・乳児の聴覚障害とは、生まれつき、または乳児期に聞こえにくさがみられる状態です。
聞こえにくさの程度はさまざまで、
- 小さな音だけ聞こえにくい
- 大きな音でも聞こえにくい
- 片耳だけ聞こえにくい
- 両耳とも聞こえにくい
など、一人ひとり異なります。
なぜ早期発見が大切なの?
赤ちゃんは、周囲の話し声を聞きながら言葉を覚えていきます。
そのため、聞こえにくさがある状態が長く続くと、
- 言葉の発達
- コミュニケーション
- 学習
- 社会性
などに影響することがあります。
一方で、早い時期から適切な支援を受けることで、聞こえを活用したコミュニケーションや言葉の発達を促すことが期待できます。
新生児聴覚スクリーニング検査
現在、多くの産科施設では、生後間もない時期に新生児聴覚スクリーニング検査が行われています。
この検査は、赤ちゃんが眠っている間に行える簡単な検査で、痛みもありません。
「要再検査」と判定された場合でも、必ずしも聴覚障害があるとは限りません。
耳の中に羊水が残っていたり、赤ちゃんが動いたりしたことが影響する場合もあります。
そのため、精密検査を受けて正確に確認することが大切です。
家庭で気付くこともある
検査で問題がなくても、成長の中で聞こえにくさが見つかることがあります。
例えば、
- 大きな音に驚かない
- 呼びかけても振り向かない
- 声のする方向を見ない
- 喃語(なんご)が少ないと感じる
などが気になる場合は、一度耳鼻咽喉科へ相談してみましょう。
ただし、赤ちゃんの反応には個人差があるため、これらの様子だけで聴覚障害があるとは判断できません。
原因はさまざま
新生児・乳児の聴覚障害には、さまざまな原因があります。
例えば、
- 遺伝的な要因
- 妊娠中の感染症
- 低出生体重児や早産
- 出生時の合併症
- 原因が特定できない場合
などがあります。
原因によって、聞こえ方や必要な支援は異なります。
早期から支援を始めることが大切
聴覚障害が確認された場合は、できるだけ早く支援を始めることが大切です。
必要に応じて、
- 補聴器の装用
- 人工内耳の検討
- 聴覚活用のためのリハビリテーション
- 家族への支援
などが行われます。
赤ちゃんだけでなく、ご家族も安心して子育てができるよう支援を受けることが重要です。
家族ができる関わり
聞こえにくさがあっても、親子のコミュニケーションはとても大切です。
例えば、
- 顔を見ながら話しかける
- 表情を豊かにする
- 抱っこしながら触れ合う
- 絵本を読む
- ジェスチャーを交えて伝える
など、日常生活の中でたくさん関わることが、子どもの発達につながります。
定期的な聞こえの確認も大切
出生時には問題がなくても、成長の途中で聞こえにくさが現れることがあります。
そのため、乳幼児健診などの機会を活用しながら、聞こえや言葉の発達を確認していくことが大切です。
「少し気になる」という段階でも、早めに相談することで安心につながります。
言語聴覚士がサポートします
言語聴覚士(ST)は、聴覚障害のあるお子さんと言葉の発達を支援する専門職です。
聞こえの状態を踏まえながら、年齢や発達に合わせたコミュニケーション方法や遊び方について、ご家族へアドバイスを行います。
また、補聴器や人工内耳を装用した後の聞こえや言葉の発達についても継続的に支援します。
まとめ
新生児・乳児の聴覚障害は、できるだけ早く見つけ、適切な支援を始めることが大切です。
新生児聴覚スクリーニング検査や乳幼児健診は、早期発見のための重要な機会となります。
また、ご家庭での関わりや早期からのリハビリテーションは、言葉やコミュニケーションの発達を支える大きな力になります。
少しでも気になることがあれば、一人で悩まず耳鼻咽喉科や言語聴覚士へ相談してみましょう。

