食後に横になってはいけない理由
「食べ終わったらすぐ横になっても大丈夫ですか?」
「食後はどれくらい座っていた方がいいのでしょうか?」
「横になると誤嚥しやすくなると聞きました。」
食事が終わると、「少し疲れたから横になりたい。」と思う方も多いでしょう。
しかし、嚥下障害がある方では、食後すぐに横になることはおすすめできません。
食後の過ごし方によっては、誤嚥や誤嚥性肺炎の危険性が高くなることがあります。
この記事では、食後に横にならない方がよい理由や、安全な過ごし方についてわかりやすく解説します。
なぜ食後に横になるとよくないの?
食べ物は、飲み込んだ後、食道を通って胃へ運ばれます。
食後すぐに横になると、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。
これを胃食道逆流といいます。
逆流した食べ物や胃液が、のどや気管へ入ってしまうと、誤嚥の原因になることがあります。
誤嚥性肺炎につながることも
胃液や食べ物が気管へ入ると、肺に細菌が入り込み、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
特に、高齢の方や、咳をする力が弱い方では、気づかないうちに誤嚥していることもあります。
そのため、食後の姿勢にも注意が必要です。
どれくらい座っていればいい?
一般的には、食後30分〜1時間程度は座った姿勢を保つことが勧められます。
胃の中へ食べ物が送られる時間を確保することで、逆流しにくくなります。
ただし、必要な時間は、体調や病気によっても異なります。
ベッドで生活している方は?
病気などで、ベッド上で生活している方では、完全に起き上がることが難しい場合もあります。
その場合でも、食後はできるだけ上半身を30〜45度以上起こした状態を保つことが望ましいでしょう。
クッションや背上げ機能を利用すると、姿勢を保ちやすくなります。
逆流しやすい方は特に注意
次のような方では、胃の内容物が逆流しやすくなります。
- 高齢の方
- 胃食道逆流症(逆流性食道炎)のある方
- 食後すぐ眠る習慣がある方
- 胃ろうを使用している方
- 食後すぐ前かがみになることが多い方
このような方では、食後の姿勢がより重要になります。
「少しだけ横になる」は大丈夫?
「5分くらいなら大丈夫かな。」と思う方もいるかもしれません。
しかし、食後すぐに完全に横になることは避けた方が安心です。
どうしても休みたい場合は、背もたれにもたれて座る、
リクライニングで上半身を起こした姿勢を保つなどの方法がおすすめです。
食後に眠くなるのは普通?
食後は、消化のために体が働くため、眠気を感じることがあります。
ただし、眠いからといって、すぐ横になる習慣は控えましょう。
食後しばらくは、椅子に座ってテレビを見たり、
家族と会話をしたりしながら過ごすのがおすすめです。
食後に口腔ケアをすることも大切
食事が終わった後は、口の中に食べ物が残っていることがあります。
食後の歯磨きや口腔ケアは、口の中の細菌を減らし、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
特に、寝る前は丁寧な口腔ケアを心がけましょう。
家族が気をつけたいポイント
介護をしている場合は、食事が終わったらすぐにベッドへ寝かせるのではなく、
しばらく座った姿勢を保つようにしましょう。
また、食後に、
- 咳が増える
- 声がガラガラになる
- 痰が多くなる
といった変化がないか確認することも大切です。
まとめ
嚥下障害がある方では、食後すぐに横になると、胃の内容物が逆流し、誤嚥や誤嚥性肺炎の危険性が高くなることがあります。
そのため、食後は、
- 30分〜1時間程度は座った姿勢を保つ
- ベッドでは上半身を起こす
- すぐに眠らない
- 食後の口腔ケアを行う
ことが大切です。
毎日の食後の過ごし方を少し工夫するだけでも、安全に食べ続けることにつながります。
不安なことがあれば、医師や言語聴覚士へ相談し、自分に合った方法を確認しましょう。

