薬を飲むときの注意点
「薬を飲むときによくむせます。」
「錠剤が飲みにくいのですが、砕いてもいいですか?」
「薬は食べ物と一緒に飲んでも大丈夫でしょうか?」
嚥下障害がある方では、食事だけでなく、薬を飲むこと(服薬)にも注意が必要です。
「食事は問題ないのに、薬だけ飲みにくい。」という方も少なくありません。
薬がのどに残ったり、誤って気管へ入ったりすると、誤嚥や窒息の危険があります。
また、自己判断で薬を砕いたりカプセルを開けたりすると、薬の効果が変わってしまうこともあります。
この記事では、嚥下障害がある方が安全に薬を飲むためのポイントを解説します。
なぜ薬は飲みにくいの?
錠剤やカプセルは、食べ物とは違い、硬くてまとまりにくい形をしています。
そのため、
- のどに引っかかる感じがする
- 水だけ先に流れてしまう
- 錠剤だけ口の中に残る
といったことが起こる場合があります。
特に大きな錠剤では、飲みにくさを感じやすくなります。
水だけで飲むのが難しいこともある
嚥下障害がある方では、水そのものが飲みにくいことがあります。
水がさらさらしているため、飲み込む準備が間に合わず、むせてしまうことがあります。
必要に応じて、医師や薬剤師の指示のもとで、とろみを付けた飲み物で服薬することが検討されます。
薬を砕いてもいい?
「飲みにくいから砕こう。」と考える方もいます。
しかし、すべての薬を砕いてよいわけではありません。
例えば、
- 徐放錠(ゆっくり効く薬)
- 腸で溶けるように作られた薬
- 特殊なコーティングがされた薬
などは、砕くことで薬の効果が変わったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。
薬を砕きたい場合は、必ず医師または薬剤師へ相談しましょう。
カプセルを開けてもいい?
カプセルも、自己判断で開けないようにしましょう。
中身を出すことで、本来の効果が得られなくなる薬もあります。
服薬が難しい場合は、別の剤形へ変更できることがあります。
飲みやすい剤形へ変更できることもある
薬には、さまざまな種類があります。
例えば、
- 粉薬
- 細粒
- シロップ
- ゼリー状製剤
- 口の中で溶ける錠剤(口腔内崩壊錠)
などがあります。
飲みにくさがある場合は、変更できることもあるため、医師や薬剤師へ相談してみましょう。
服薬補助ゼリーを活用する方法
嚥下障害のある方では、服薬補助ゼリーを使用することがあります。
薬をゼリーで包むことで、まとまりやすくなり、飲み込みやすくなる場合があります。
ただし、すべての薬に適しているわけではないため、使用前に確認しましょう。
姿勢も大切
薬を飲むときも、食事と同じように姿勢が重要です。
基本的には、
- 椅子へ深く座る
- 足を床につける
- 軽くあごを引く
姿勢で服薬することが勧められます。
寝たまま薬を飲むことは、誤嚥の危険性が高くなるため注意が必要です。
飲んだ後も確認する
薬を飲んだ後は、口の中へ残っていないか確認しましょう。
特に、認知症のある方や口の感覚が低下している方では、薬が口の中に残ったままになっていることがあります。
また、服薬後にむせたり、声がガラガラになったりした場合は、
誤嚥している可能性もあるため、医師へ相談しましょう。
家族が介助するときのポイント
介助する場合は、一度に複数の薬を口へ入れないようにしましょう。
一錠ずつ、または医師や薬剤師の指示に従って飲んでもらうことが安全です。
「早く飲んで。」と急がせるのではなく、本人のペースで服薬できるよう見守ることが大切です。
困ったときは相談を
薬が飲みにくい状態が続く場合は、無理に飲み続ける必要はありません。
医師や薬剤師へ相談すれば、薬の種類や飲み方を変更できる場合があります。
また、嚥下機能の評価によって、より安全な服薬方法が見つかることもあります。
まとめ
嚥下障害がある方では、薬も誤嚥する危険があるため、安全な服薬方法を選ぶことが大切です。
そのためには、
- 自己判断で薬を砕かない
- 必要に応じて剤形を変更する
- 服薬補助ゼリーを活用する
- 正しい姿勢で飲む
- むせや飲みにくさが続くときは相談する
ことが重要です。
薬は病気の治療に欠かせないものです。
飲みにくさを我慢するのではなく、医師や薬剤師、言語聴覚士と相談しながら、
安全で続けやすい服薬方法を見つけていきましょう。

