水分補給で気をつけること
「水を飲むとむせてしまいます。」
「どれくらい水分を摂ればよいのでしょうか?」
「水分補給で気をつけることはありますか?」
嚥下障害がある方では、食事よりも水分の方が飲みにくいことが少なくありません。
実際に、「食べ物は大丈夫だけど、水やお茶でよくむせる。」という方は多くいます。
しかし、むせるのが怖いからといって水分を控えてしまうと、脱水や便秘、体調不良などにつながることがあります。
そのため、安全に水分を摂る工夫がとても重要です。
この記事では、嚥下障害がある方の水分補給で気をつけたいポイントをわかりやすく解説します。
なぜ水分はむせやすいの?
水やお茶は、さらさらしていて流れが速いため、飲み込みの準備が間に合わないことがあります。
その結果、気管へ入り、むせや誤嚥が起こりやすくなります。
一方で、適度にとろみが付いた飲み物は、流れがゆっくりになるため、飲み込みやすくなる方もいます。
水分不足は危険
「むせるから飲まない。」という状態が続くと、脱水になることがあります。
脱水になると、
- めまい
- 倦怠感
- 便秘
- 尿路感染症
- 熱中症
などの原因になります。
さらに、唾液が減ることで、飲み込み自体がさらに難しくなることもあります。
一度にたくさん飲まない
一気に飲むと、飲み込みきれず誤嚥しやすくなります。
水分は、少量ずつゆっくり飲むことが基本です。
コップを傾けすぎず、一口飲んだら、しっかり飲み込んでから次の一口へ進みましょう。
必要に応じてとろみを使う
水分だけでむせる方では、とろみ剤を使うことで、安全に飲めるようになる場合があります。
ただし、必要以上に濃いとろみは、飲みにくくなったり、水分摂取量が減ったりする原因にもなります。
適切な濃さは、医師や言語聴覚士の指導に従いましょう。
正しい姿勢で飲む
水分補給でも、姿勢は重要です。
基本的には、
- 背もたれに深く座る
- 足の裏を床につける
- 軽くあごを引く
姿勢で飲むことが勧められます。
寝たまま飲むことは、誤嚥の危険性が高くなるため注意が必要です。
ストローは使ってもいい?
ストローは便利ですが、一度に多くの水分が流れ込みやすいため、むせやすい方もいます。
一方で、コップよりストローの方が飲みやすい方もいます。
ストローが適しているかどうかは、嚥下機能によって異なるため、専門家へ相談しましょう。
水分は飲み物だけではない
水分補給は、飲み物だけではありません。
例えば、
- 味噌汁
- スープ
- ゼリー
- プリン
- 果物
などからも水分を摂ることができます。
飲み物だけでは十分に飲めない方では、このような食品も活用するとよいでしょう。
のどが渇く前に飲む
高齢になると、のどの渇きを感じにくくなることがあります。
「喉が渇いたら飲む。」では遅い場合もあるため、
時間を決めて少しずつ飲む習慣を作ることがおすすめです。
家族が気をつけたいこと
介助する場合は、「たくさん飲んでほしい。」という思いから、
一度に多く飲ませてしまうことがあります。
しかし、安全のためには、少量ずつ飲んでもらうことが大切です。
また、飲んだ後に、
- むせていないか
- 声がガラガラになっていないか
も確認しましょう。
水分補給が難しいときは相談を
十分に水分が摂れない状態が続くと、脱水だけでなく、栄養状態にも影響します。
飲み込みにくさが強い場合は、食形態やとろみの見直しが必要なこともあります。
無理をせず、医師や言語聴覚士へ相談しましょう。
まとめ
嚥下障害では、水分は食べ物よりも誤嚥しやすいことがあります。
しかし、むせるからといって水分を控えると、脱水や体調不良につながる危険があります。
安全に水分補給を行うためには、
- 少量ずつゆっくり飲む
- 必要に応じてとろみを使う
- 正しい姿勢で飲む
- のどが渇く前に水分を摂る
ことが大切です。
自分に合った飲み方は人それぞれ異なります。
医師や言語聴覚士のアドバイスを受けながら、安全に水分補給を続けていきましょう。

