電気刺激療法(神経筋電気刺激療法)とは?
「電気刺激療法とはどのような治療ですか?」
「電気を流すだけで飲み込みが良くなるのでしょうか?」
「痛みはありますか?」
嚥下障害のリハビリでは、舌や首の運動などの訓練に加えて、
電気刺激療法(神経筋電気刺激療法:NMES)が行われることがあります。
首に電極を貼り、微弱な電気刺激を与えることで、飲み込みに関わる筋肉や神経を刺激し、嚥下機能の改善を目指す治療法です。
近年では導入する医療機関も増えていますが、すべての方に効果があるわけではなく、通常は他の嚥下リハビリと組み合わせて行われます。
この記事では、電気刺激療法の仕組みや期待される効果、注意点についてわかりやすく解説します。
電気刺激療法とは?
電気刺激療法とは、
首の皮膚に電極を貼り、微弱な電気を流して飲み込みに関わる筋肉や神経を刺激するリハビリです。
正式には、神経筋電気刺激療法(Neuromuscular Electrical Stimulation:NMES)と呼ばれています。
飲み込みに必要な筋肉へ刺激を与えながら、
通常の嚥下リハビリを組み合わせて行うことが一般的です。
なぜ電気を流すの?
筋肉は、神経からの電気信号によって動いています。
電気刺激療法では、外部から電気刺激を与えることで、
飲み込みに関わる筋肉を動かし、筋力の維持や運動の促通(動きを引き出すこと)を目指します。
期待される効果
電気刺激療法では、次のような効果が期待される場合があります。
- 飲み込みに関わる筋肉の働きを促す
- 喉頭の動きを改善する
- 飲み込みのタイミングを改善する
- 誤嚥を減らす
- リハビリの効果を高める
ただし、効果には個人差があります。
どのような人が対象になる?
例えば、
- 脳卒中後の嚥下障害
- パーキンソン病
- 頭頸部がん治療後
- 加齢による嚥下機能低下
などで実施されることがあります。
ただし、病気の種類や嚥下障害の原因によっては、適応にならないこともあります。
電気刺激だけで治る?
「電気を流せば治る。」というものではありません。
電気刺激療法は、舌の運動や食事訓練などの嚥下リハビリと組み合わせて行うことで、
より効果が期待できると考えられています。
そのため、電気刺激だけを受ければ十分というわけではありません。
痛みはある?
使用する電気は弱いため、多くの方は、
- ピリピリする感じ
- 筋肉が軽く動く感じ
程度で、強い痛みを感じることはあまりありません。
ただし、刺激の感じ方には個人差があるため、無理のない強さに調整しながら行います。
誰でも受けられるわけではない
電気刺激療法は、次のような方では実施できない、または慎重な判断が必要になることがあります。
- 心臓ペースメーカーなどの植込み型医療機器を使用している方
- 電極を貼る部位に皮膚トラブルがある方
- 医師が適応外と判断した方
治療を希望する場合は、事前に医師へ相談することが大切です。
科学的な根拠は?
電気刺激療法については、これまで多くの研究が行われています。
一部の方では、嚥下機能の改善が期待できるという報告があります。
一方で、すべての方に同じ効果が得られるわけではなく、
病気や障害の原因によって効果は異なります。
そのため、現在では、電気刺激療法は「通常の嚥下リハビリを補助する方法の一つ」と考えられています。
自宅で行える?
市販の低周波治療器などを使って、自己判断で首へ電気刺激を行うことはおすすめできません。
嚥下障害に対する電気刺激療法は、刺激する部位や強さを適切に設定する必要があります。
誤った方法では、十分な効果が得られないだけでなく、安全面の問題もあります。
必ず医療機関で実施しましょう。
まとめ
電気刺激療法(神経筋電気刺激療法:NMES)は、
首に微弱な電気刺激を与え、飲み込みに関わる筋肉や神経の働きを促す嚥下リハビリです。
脳卒中後や加齢による嚥下障害などで用いられることがあり、
通常のリハビリと組み合わせることで効果が期待される場合があります。
一方で、すべての方に適しているわけではなく、病気や体の状態によって適応が異なります。
まずは医師や言語聴覚士に相談し、自分に合ったリハビリ方法を選ぶことが、安全で効果的な治療につながります。

