自宅でできる記憶力トレーニング
高次脳機能障害で記憶障害があると、
- 約束を忘れてしまう
- 同じことを何度も聞いてしまう
- 物を置いた場所が思い出せない
- 新しいことを覚えにくい
といった困りごとが生じます。
ご本人やご家族の中には、
- 「家でも記憶力を鍛えられる?」
- 「どんな練習をすればいい?」
- 「毎日続けられる方法が知りたい」
と思う方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、自宅での記憶力トレーニングは効果が期待できます。
ただし、「ひたすら覚える練習」を繰り返すだけでは十分ではありません。
高次脳機能障害では、生活の中で困らないように工夫を身につけることも同じくらい大切です。
この記事では、自宅で無理なく続けられる記憶力トレーニングを紹介します。
記憶力トレーニングで大切な考え方
記憶障害のリハビリでは、「忘れないように頑張る」だけを目標にしません。
大切なのは、
- 覚えやすくする工夫
- 忘れても困らない工夫
- 毎日続けられる習慣
を身につけることです。
生活に役立つ方法を取り入れることで、自立した生活につながります。
カレンダーを見る習慣をつける
最も取り組みやすい方法の一つです。
毎日、
- 朝起きたとき
- 食後
- 寝る前
など決まった時間にカレンダーを確認します。
予定を書くだけでなく、「今日は何をする日かな?」と声に出して確認すると、記憶に残りやすくなります。
メモを活用する
記憶障害では、「覚える」よりも「記録する」ことが重要です。
例えば、
- 今日やること
- 買い物リスト
- 家族から伝えられたこと
などをメモに残します。
書いた後は、「メモを見る習慣」も一緒に身につけることが大切です。
スマートフォンを活用する
スマートフォンには便利な機能があります。
例えば、
- アラーム
- リマインダー
- カレンダー
- 音声メモ
などです。
予定の時間に通知が届くよう設定すれば、約束や薬の飲み忘れを防ぎやすくなります。
無理にすべてを覚えようとせず、機械の力を借りることも立派なリハビリです。
一日の出来事を振り返る
夜に、「今日は何をしましたか?」と振り返る時間を作ることもおすすめです。
例えば、
- 朝ごはんは何を食べた?
- 誰と会った?
- 買い物には行った?
など、簡単な内容で構いません。
日記を書いたり、ご家族と話したりするだけでも記憶を整理する練習になります。
写真を見返す
スマートフォンで撮影した写真を使う方法もあります。
例えば、
- 今日の昼食
- 外出先
- 家族との写真
などを見ながら、「これはどこで撮ったかな?」「誰と一緒だったかな?」と話すことで、出来事を思い出す練習になります。
楽しみながら続けやすい方法の一つです。
買い物を利用したトレーニング
買い物も記憶力トレーニングになります。
例えば、「牛乳と卵を買う」というように、少ない品数から始めます。
覚えられなかった場合は、無理をせずメモを確認します。
「覚えられなかったこと」ではなく、「メモを使って買えたこと」を評価することが大切です。
会話を楽しむ
家族との会話も良いトレーニングになります。
例えば、「昨日は何をしましたか?」「昔の旅行で一番楽しかった場所は?」など、思い出しやすい話題から始めます。
答えを急がせず、ゆっくり思い出せる時間を作ることがポイントです。
難しすぎる課題は続かない
「脳トレ」を毎日長時間続けようとすると、疲れてしまうことがあります。
高次脳機能障害では、
- 疲れやすい
- 集中力が続きにくい
という方も少なくありません。
そのため、10〜20分程度を目安に、無理のない範囲で取り組みましょう。
「覚えること」より「生活しやすくなること」が目標
記憶力トレーニングの目的は、テストで満点を取ることではありません。
例えば、
- 約束を忘れずに済む
- 買い物ができる
- 家族との会話を楽しめる
など、生活の中で困りごとが減ることが大切です。
そのため、メモやスマートフォンなどの代償手段を積極的に活用することも重要なリハビリになります。
家族がサポートするときのポイント
ご家族は、「覚えている?」と何度も確認したくなることがあります。
しかし、思い出せないことを責めるのではなく、
- 一緒にメモを見る
- ヒントを出す
- 思い出せたことを褒める
といった関わり方の方が、ご本人の安心感や意欲につながります。
まとめ
自宅での記憶力トレーニングは、高次脳機能障害のある方にとって大切なリハビリの一つです。
カレンダーやメモ、スマートフォンを活用しながら、毎日の生活の中で無理なく続けることがポイントです。
また、「覚えること」だけではなく、「忘れても困らない工夫」を身につけることも重要です。
焦らず、ご本人に合った方法を見つけながら、生活の中で少しずつ続けていきましょう。

