やわらかい食事と刻み食の違い
「やわらかい食事と刻み食は何が違うのでしょうか?」
「飲み込みにくいときは刻み食にすれば安心ですか?」
「どちらを選べばよいのでしょうか?」
嚥下障害がある方の食事では、「やわらかい食事」と「刻み食」がよく選択肢に挙がります。
しかし、「細かく刻めば食べやすくなる」と思われがちですが、実際には刻み食が飲み込みやすいとは限りません。
現在では、嚥下障害のある方には、刻み食よりもやわらかく調理した食事が勧められることも多くなっています。
この記事では、やわらかい食事と刻み食の違いや、それぞれの特徴についてわかりやすく解説します。
やわらかい食事とは?
やわらかい食事とは、食材そのものをやわらかく調理した食事です。
例えば、
- 肉を長時間煮込む
- 野菜をやわらかく茹でる
- 魚をふっくら蒸す
など、
食材の形をある程度残しながら、少ない力でつぶせるように調理します。
舌や歯ぐきでつぶせる程度の硬さが目安になることもあります。
刻み食とは?
刻み食とは、食べ物を小さく切った食事です。
肉や野菜などを、数ミリから1センチ程度に刻んで提供します。
以前は、高齢者施設や病院でも広く提供されていました。
一番大きな違い
両者の違いは、「やわらかさ」を変えるか、「大きさ」を変えるかです。
やわらかい食事は、食材をやわらかくすることが目的です。
一方、刻み食は、食材を小さく切ることが目的です。
そのため、刻み食でも、食材自体が硬ければ噛みにくさは残ります。
刻み食が向かないこともある
「細かくすれば飲み込みやすい。」と思われがちですが、
実際には、刻み食にはいくつかの問題があります。
例えば、
- 口の中でまとまりにくい
- バラバラになりやすい
- のどへ送り込みにくい
- 気管へ入りやすい
などです。
特に、舌の力が弱い方では、細かく刻まれた食べ物を一つにまとめることが難しく、
誤嚥しやすくなることがあります。
やわらかい食事のメリット
やわらかく調理された食事は、適度にまとまりがあり、口の中で一つの塊(食塊)を作りやすくなります。
そのため、
- 噛みやすい
- 飲み込みやすい
- 食べ物が口の中に散らばりにくい
というメリットがあります。
また、見た目も普通の食事に近く、食欲を保ちやすいという利点もあります。
どちらを選べばいい?
どちらが適しているかは、飲み込みや噛む力によって異なります。
例えば、噛む力が弱い方では、やわらかい食事が適していることがあります。
一方、飲み込みだけでなく、口の中で食べ物をまとめる力も低下している方では、
刻み食よりも、ペースト食など別の食形態が安全な場合もあります。
そのため、自己判断ではなく、医師や言語聴覚士などの専門職が評価して決めることが大切です。
家庭で工夫できること
家庭では、無理に細かく刻むのではなく、食材をやわらかく調理する工夫がおすすめです。
例えば、
- 長く煮込む
- 蒸す
- 圧力鍋を使う
- とろみのあるあんをかける
などで、食べやすくなることがあります。
食形態は変わることもある
飲み込みの状態は、リハビリや病気の経過によって変化します。
改善すれば、やわらかい食事から普通食へ近づけることもあります。
逆に、状態が変われば、別の食形態へ変更した方が安全なこともあります。
定期的な評価を受けながら、食形態を見直すことが大切です。
まとめ
やわらかい食事と刻み食の違いは、食材をやわらかくするか、小さく切るかという点です。
近年では、嚥下障害のある方では、
刻み食よりも、やわらかく調理した食事の方が安全に食べられる場合が多いことが分かってきています。
ただし、適した食形態は人によって異なります。
自己判断で変更するのではなく、医師や言語聴覚士などの専門職と相談しながら、
その人に合った食事を選ぶことが、安全に食べ続けるための第一歩です。

