誤嚥があると言われたらどうする?
「検査で『誤嚥があります』と言われました。」
「もう口から食べられないのでしょうか?」
「誤嚥があると聞いて、とても不安です。」
「誤嚥がある」と言われると、多くの方やご家族が大きな不安を感じます。
しかし、誤嚥があるからといって、すぐに食事ができなくなるわけではありません。
大切なのは、「なぜ誤嚥が起きているのか」「どのような場面で誤嚥するのか」を詳しく調べ、その人に合った対策を行うことです。
この記事では、誤嚥があると言われたときに知っておきたいことや、その後の対応についてわかりやすく解説します。
まず「誤嚥=食事禁止」ではない
誤嚥が見つかると、
「もう口から食べられないのでは?」
と心配される方が少なくありません。
しかし実際には、誤嚥の程度や原因は人それぞれ異なります。
例えば、
- 水だけ誤嚥する
- 固形物では誤嚥しない
- 特定の姿勢では安全に飲み込める
ということもあります。
そのため、誤嚥が見つかったからといって、一律に食事が禁止されるわけではありません。
まずは原因を確認する
誤嚥は病名ではなく、「食べ物や飲み物、唾液などが気管に入る状態」のことです。
そのため、まずは原因を調べることが大切です。
例えば、
- 脳卒中
- パーキンソン病
- 認知症
- 神経筋疾患
- 加齢による機能低下
- 頭頸部がんの治療後
など、さまざまな原因があります。
原因によって治療やリハビリの方法も異なります。
誤嚥の程度を評価する
誤嚥にも、軽いものから重いものまでさまざまな程度があります。
医師や言語聴覚士は、
- 誤嚥する量
- 誤嚥するタイミング
- むせるかどうか
- 食べ物の残り方
などを総合的に評価します。
嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)の結果をもとに、安全な食事方法を検討します。
食べ方を工夫することで安全になることも
誤嚥があっても、食べ方を工夫することで安全性が高まる場合があります。
例えば、
- 一口の量を少なくする
- ゆっくり食べる
- よく飲み込んでから次の一口を食べる
- あごを軽く引いて飲み込む(※適応がある場合)
- 食事に集中できる環境を整える
などです。
ただし、姿勢や食べ方の工夫は、すべての人に適しているわけではありません。
自己判断ではなく、医師や言語聴覚士などの指導を受けて行うことが大切です。
食事の形を調整することもある
誤嚥しやすい食べ物は、人によって異なります。
そのため、
- とろみをつける
- やわらかい食事にする
- まとまりやすい食べ物を選ぶ
など、食形態を調整することがあります。
「食べられる物を減らす」のではなく、安全に食べられる方法を見つけることが目的です。
嚥下リハビリを始める
誤嚥がある場合でも、嚥下リハビリによって改善が期待できることがあります。
例えば、
- 飲み込みの筋肉を鍛える運動
- 舌や唇の運動
- 飲み込みの練習
など、その人の状態に合わせたリハビリが行われます。
すべての方が元の状態まで回復するわけではありませんが、飲み込みやすさや安全性の向上を目指します。
誤嚥性肺炎を予防することも大切
誤嚥があると、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。
そのため、
- 口腔ケアを行う
- 食後はすぐに横にならない
- 食事中の姿勢を整える
- 体調管理を行う
など、肺炎を予防する取り組みも重要です。
家族ができること
ご家族は、「誤嚥がある」と聞くと、不安になってしまうかもしれません。
しかし、無理に食べさせたり、反対に必要以上に食事を制限したりするのではなく、
医師や言語聴覚士の指導に沿って支援することが大切です。
また、
- むせが増えていないか
- 食後に咳が続かないか
- 発熱していないか
などを日頃から観察することも大切な役割です。
口から食べることを大切に考える
食事は、栄養を摂るだけではなく、楽しみや生きがいにもつながります。
そのため、医療現場では、「どうすれば安全に口から食べ続けられるか」という視点を大切にしながら支援を行います。
もちろん、誤嚥の程度や全身状態によっては、一時的に食事方法の見直しが必要になることもありますが、
その場合も本人や家族と相談しながら方針が決められます。
まとめ
誤嚥があると言われても、
すぐに食事ができなくなるわけではありません。
まずは、
- 誤嚥の原因
- 誤嚥の程度
- 安全に食べられる方法
を詳しく評価することが大切です。
その結果をもとに、
- 食べ方の工夫
- 食形態の調整
- 嚥下リハビリ
- 誤嚥性肺炎の予防
など、一人ひとりに合った対策を行います。
誤嚥があることは不安かもしれませんが、適切な評価と支援によって、安全に食べ続けられる可能性は十分あります。
一人で悩まず、医師や言語聴覚士などの専門職と相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。

