不顕性誤嚥はどうやって見つける?
「不顕性誤嚥はどうやって見つけるのでしょうか?」
「むせていないのに誤嚥していることはありますか?」
「本人に自覚症状がなくても検査で分かりますか?」
誤嚥というと、多くの方は「食事中に激しくむせる」様子を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際には、むせや咳がほとんど出ないまま誤嚥していることがあります。
これを不顕性誤嚥といいます。
不顕性誤嚥は本人も家族も気づきにくく、誤嚥性肺炎を繰り返して初めて見つかることも少なくありません。
この記事では、不顕性誤嚥をどのように見つけるのか、検査方法や日常で気づくポイントについてわかりやすく解説します。
不顕性誤嚥とは?
不顕性誤嚥とは、食べ物や飲み物、唾液などが気管へ入っても、咳やむせなどの症状が現れない誤嚥のことです。
通常は、異物が気管へ入ると咳反射が働き、外へ出そうとします。
しかし、
- 咳反射が弱くなっている
- のどの感覚が低下している
場合には、誤嚥していても咳が出ないことがあります。
なぜ気づきにくいの?
不顕性誤嚥では、本人は「普通に食べられています。」と思っていることも少なくありません。
また、家族も、「むせていないから大丈夫。」と考えてしまいがちです。
そのため、誤嚥が続いていても発見が遅れることがあります。
こんな症状は要注意
むせがなくても、次のような症状がある場合は、不顕性誤嚥を疑うことがあります。
- 食後に声がガラガラになる
- 食後に痰が増える
- 原因不明の発熱を繰り返す
- 誤嚥性肺炎になったことがある
- 食後によく咳払いをする
- 食事時間が長くなった
- 体重が減ってきた
これらは、不顕性誤嚥のサインである可能性があります。
問診や食事の様子も大切
まずは、医師や言語聴覚士が、
- 食事中の様子
- 発熱の有無
- 食後の変化
- これまでの病気
などを詳しく確認します。
本人だけでなく、ご家族からの情報も重要です。
VE(嚥下内視鏡検査)
不顕性誤嚥を確認する代表的な検査が、嚥下内視鏡検査(VE)です。
鼻から細い内視鏡を入れ、
- のどの動き
- 食べ物の流れ
- 誤嚥していないか
を直接観察します。
VEでは、
咳が出なくても、気管へ食べ物が入っている様子を確認できるため、不顕性誤嚥を発見しやすい検査です。
VF(嚥下造影検査)
もう一つ重要なのが、嚥下造影検査(VF)です。
造影剤を混ぜた食べ物を飲み、レントゲンで動画撮影します。
VFでは、
- 誤嚥するタイミング
- 食べ物の残り方
- 飲み込み反射
まで詳しく確認できます。
咳が出なくても誤嚥している様子を評価できます。
スクリーニング検査だけでは分からないことも
RSSTやMWSTなどのスクリーニング検査は、嚥下障害の可能性を調べるために役立ちます。
しかし、不顕性誤嚥は見逃されることもあります。
そのため、症状や経過から疑われる場合には、VEやVFなどの詳しい検査が必要になります。
誤嚥性肺炎を繰り返す場合は要注意
「むせないのに肺炎になる。」という場合は、不顕性誤嚥が隠れている可能性があります。
特に、
- 脳卒中
- パーキンソン病
- 認知症
- 神経筋疾患
がある方では、
咳反射が弱くなっていることがあり、注意が必要です。
早く見つけるメリット
不顕性誤嚥が見つかった場合は、
- 食事姿勢の工夫
- 食形態の調整
- 嚥下リハビリ
- 口腔ケア
などによって、誤嚥性肺炎の予防につながる可能性があります。
「むせないから安心」と考えず、気になる症状がある場合は評価を受けることが大切です。
まとめ
不顕性誤嚥とは、咳やむせがないまま食べ物や飲み物が気管へ入る状態です。
本人も家族も気づきにくいため、
- 食後に声が変わる
- 食後に痰が増える
- 発熱を繰り返す
などの小さな変化が重要な手がかりになります。
不顕性誤嚥は、
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下造影検査(VF)
などによって詳しく調べることができます。
誤嚥性肺炎を予防し、安全に食事を続けるためにも、「むせていないから大丈夫」と自己判断せず、
気になる症状があれば早めに医療機関へ相談しましょう。

