反復唾液嚥下テスト(RSST)とは?
「反復唾液嚥下テスト(RSST)とは何ですか?」
「病院で『RSSTをします』と言われました。」
「痛みはあるのでしょうか?」
飲み込みにくさが疑われる場合、最初に行われることが多い検査の一つが反復唾液嚥下テスト(RSST:Repetitive Saliva Swallowing Test)です。
RSSTは、唾液を何回飲み込めるかを調べる簡単なスクリーニング検査で、特別な機械を使わずに短時間で行うことができます。
この検査だけで嚥下障害を診断することはできませんが、飲み込みの機能を評価するための大切な手がかりになります。
この記事では、RSSTの目的や方法、結果の見方についてわかりやすく解説します。
RSSTとは?
RSSTは、30秒間に何回唾液を飲み込めるかを調べる検査です。
食べ物や水を使わず、自分の唾液だけを飲み込むため、安全に行いやすい検査として広く利用されています。
医療機関だけでなく、リハビリテーション病院や介護施設などでも行われています。
なぜ唾液を飲み込む回数を調べるの?
私たちは普段、無意識のうちに何度も唾液を飲み込んでいます。
この動きには、
- 舌の動き
- のどの筋肉
- 飲み込み反射
など、多くの機能が関わっています。
RSSTでは、唾液を繰り返し飲み込めるかを確認することで、飲み込みの機能が保たれているかを評価します。
検査の方法
RSSTは、とても簡単な検査です。
一般的には、次のような流れで行われます。
- 楽な姿勢で座ります。
- 検査をする人が、あごの下(のどぼとけ付近)に指を軽く当てます。
- 「30秒間で、できるだけ何度も唾液を飲み込んでください」と説明されます。
- 飲み込むたびに、のどの動きを確認して回数を数えます。
検査時間は1分程度で終わり、痛みはほとんどありません。
結果はどう判断するの?
RSSTでは、30秒間に3回以上飲み込めるかが、一つの目安としてよく用いられます。
一般的には、
- 3回以上:飲み込み機能は比較的保たれている可能性がある
- 2回以下:嚥下機能が低下している可能性があり、さらに詳しい評価が必要
と考えられます。
ただし、これはあくまで目安であり、年齢や体調、基礎疾患などによって結果は変わるため、この回数だけで嚥下障害の有無を判断することはできません。
RSSTだけで嚥下障害は分かる?
答えは「分かりません」です。
RSSTは、あくまでもスクリーニング検査です。
つまり、「詳しい検査が必要かどうかを判断するための検査」という位置づけになります。
RSSTの結果だけで、
- 誤嚥しているか
- のどに食べ物が残っているか
などは分かりません。
必要に応じて、
- 改訂水飲みテスト(MWST)
- フードテスト(FT)
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下造影検査(VF)
などを追加して評価します。
RSSTのメリット
RSSTには、次のようなメリットがあります。
- 特別な機械が不要
- 短時間で実施できる
- 痛みがほとんどない
- 水や食べ物を使わないため比較的安全
- 外来や病棟、介護施設でも実施しやすい
そのため、嚥下障害が疑われる方の初期評価として広く活用されています。
RSSTの限界
一方で、RSSTにも限界があります。
例えば、
- 実際の食事の飲み込みは評価できない
- 誤嚥の有無は分からない
- 食べ物がどこに残るかは分からない
などです。
そのため、RSSTで異常が疑われた場合や症状が強い場合には、より詳しい検査が必要になります。
検査結果は総合的に判断される
医師や言語聴覚士は、RSSTだけではなく、
- 問診
- 口や舌の動き
- 食事中の様子
- 他の嚥下機能検査
などを組み合わせて、総合的に嚥下機能を評価します。
一つの検査結果だけで診断が決まるわけではありません。
まとめ
反復唾液嚥下テスト(RSST)は、30秒間に何回唾液を飲み込めるかを調べる簡単なスクリーニング検査です。
短時間で安全に行えるため、嚥下障害の初期評価として広く用いられています。
ただし、RSSTだけで嚥下障害や誤嚥を診断することはできません。
異常が疑われる場合には、嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)などの詳しい検査を行い、
その人に合ったリハビリや食事方法を検討します。
飲み込みに不安がある方は、自己判断せず、医療機関で適切な評価を受けることが大切です。

