脳幹が傷つくと構音障害になる理由
「脳幹ってどこにあるの?」
「脳幹が傷つくと、なぜ話しにくくなるの?」
「脳卒中で脳幹に障害があると言われたけれど、どんな影響があるの?」
脳幹(のうかん)は、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。
しかし、話すことや飲み込むこと、呼吸など、生きていくために欠かせない働きを担っている大切な場所です。
脳幹が傷つくと、舌や唇、のどを動かす神経がうまく働かなくなり、構音障害が起こることがあります。
この記事では、脳幹の役割と、構音障害が起こる仕組みについて分かりやすく解説します。
脳幹とはどんな場所?
脳幹は、大脳と脊髄(せきずい)をつないでいる部分です。
大きさはそれほど大きくありませんが、
- 呼吸
- 心臓の働き
- 飲み込み
- 話すための筋肉の動き
など、生命を維持するために重要な働きをしています。
また、脳からの指令を顔や口、のどへ伝える神経の多くは、この脳幹から出ています。
話すための神経が集まっている
舌や唇、のどを動かす神経は、脳幹から伸びています。
例えば、
- 舌を動かす神経
- 唇や表情を動かす神経
- のどや声帯を動かす神経
などがあります。
そのため、脳幹が障害されると、これらの神経が十分に働かなくなり、話しにくさが現れることがあります。
脳幹が傷つくとどんな症状が出る?
脳幹に障害が起こると、
- ろれつが回らない
- 声がかすれる
- 鼻声になる
- 声が小さくなる
- 飲み込みにくくなる
などの症状がみられることがあります。
これは、舌や唇、のどの筋肉を動かす神経が影響を受けるためです。
嚥下障害を伴うことも多い
脳幹は、話すことだけでなく、飲み込む働きにも深く関わっています。
そのため、構音障害と一緒に、
- むせやすい
- 飲み込みにくい
- 食事に時間がかかる
といった嚥下障害がみられることも少なくありません。
話しにくさと飲み込みにくさが同時にある場合は、脳幹の障害が関係している可能性もあります。
脳幹の脳卒中で起こることがある
脳幹に障害が起こる原因として多いのが、脳卒中です。
脳幹梗塞や脳幹出血では、比較的小さな病変でも、
話すことや飲み込むことに大きな影響が出ることがあります。
また、
- 手足の麻痺
- めまい
- ふらつき
などを伴うこともあります。
大脳の障害との違い
大脳が障害されると、話すための「指令」を作ることに影響が出ます。
一方、脳幹が障害されると、その指令を舌や唇、のどへ届ける神経が障害されます。
そのため、言いたいことは頭の中で考えられていても、
思うように口が動かず、発音が不明瞭になることがあります。
リハビリでは何をするの?
脳幹の障害による構音障害では、言語聴覚士が、
- 舌や唇の動き
- 声の状態
- 呼吸
- 飲み込み
などを詳しく評価します。
そのうえで、
- 発音練習
- 発声練習
- 呼吸練習
- 嚥下訓練
などを組み合わせながらリハビリを行います。
話すことと飲み込むことの両方を考えながら支援することが大切です。
家族が知っておきたいこと
脳幹の障害では、話すことも飲み込むことも疲れやすい場合があります。
そのため、「もっとはっきり話して」と急かすのではなく、
ご本人のペースに合わせて会話することが大切です。
また、むせが多い場合は、早めに医師や言語聴覚士へ相談しましょう。
まとめ
脳幹は、大脳からの指令を舌や唇、のどへ伝える神経が集まる大切な場所です。
脳幹が傷つくと、これらの神経が十分に働かなくなり、ろれつが回らない、
声がかすれる、飲み込みにくいといった症状が現れることがあります。
脳幹の障害では、構音障害と嚥下障害が同時にみられることも少なくありません。
適切な評価とリハビリを受けながら、ご本人に合った支援を続けていくことが大切です。

