左右どちらの脳が障害されても構音障害は起こる?
「右脳の脳卒中でも話しにくくなるの?」
「左脳だけが話すことに関係しているの?」
「脳の左右で構音障害は違うの?」
「言葉は左脳が担当している」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、言葉を理解したり、文章を作ったりする働きは、多くの人で左脳が中心となっています。
しかし、話すために口や舌、のどを動かす働きは、左右両方の脳が関わっています。
そのため、右脳でも左脳でも、障害される場所によっては構音障害が起こることがあります。
この記事では、脳の左右と構音障害の関係について分かりやすく解説します。
左脳は「言葉」を扱う中心
多くの人では、左脳が、
- 言葉を理解する
- 言葉を選ぶ
- 文を組み立てる
といった働きを担っています。
そのため、左脳の脳卒中では、構音障害だけでなく、失語症を伴うことがあります。
「話したい言葉が出てこない」「相手の話が理解しにくい」といった症状がみられるのは、このためです。
構音障害は左右どちらでも起こる
一方、構音障害は、話すための筋肉を動かす働きの障害です。
舌や唇、のどを動かす神経には、左右両方の大脳から指令が送られています。
そのため、右脳でも左脳でも、話すための運動を担当する部分が障害されると、
- ろれつが回らない
- 発音が不明瞭になる
- 声が出しにくい
といった構音障害が起こることがあります。
左脳が障害された場合
左脳の障害では、構音障害に加えて、失語症がみられることがあります。
そのため、
- 発音が不明瞭
- 言葉が出てこない
- 言い間違いが増える
など、複数の症状が同時に現れることがあります。
もちろん、構音障害だけがみられる場合もあります。
右脳が障害された場合
右脳の障害でも、話すための運動を担当する部分が傷つくと、構音障害が起こることがあります。
一方で、右脳では、
- 声の抑揚
- 感情を込めた話し方
- 会話の雰囲気をつかむこと
などに影響が出ることもあります。
そのため話し方の印象が以前と変わることがあります。
障害の場所や大きさが大切
「右だから大丈夫」「左だから必ず話せなくなる」というわけではありません。
大切なのは、脳のどこが、どのくらい障害されたかです。
同じ左脳の脳卒中でも、構音障害だけの方もいれば、失語症を伴う方もいます。
また、右脳でも構音障害が目立つ方もいます。
症状は一人ひとり異なります。
脳幹や小脳でも構音障害は起こる
構音障害は、大脳だけではなく、
- 脳幹
- 小脳
の障害でも起こります。
これらは左右の脳とは少し異なる役割を担っていますが、
話すための神経や動きを調整する重要な場所です。
そのため、構音障害を考えるときは、大脳だけでなく脳全体を見ることが大切です。
リハビリは症状に合わせて行う
言語聴覚士は、障害された場所だけでなく、
実際にどのような話しにくさがあるかを詳しく評価します。
例えば、
- 発音が中心の問題なのか
- 言葉を考えることも難しいのか
- 声が小さいのか
などを確認し、その方に合ったリハビリを行います。
そのため、右脳だから、左脳だからと決まった練習をするわけではありません。
家族が知っておきたいこと
「右脳だから言葉は大丈夫」「左脳だから全部話せなくなる」と単純には考えられません。
脳卒中の症状は一人ひとり異なります。
話し方に変化がある場合は、どちらの脳が障害されていても、言語聴覚士による評価を受けることが大切です。
まとめ
構音障害は、左脳だけでなく右脳の障害でも起こることがあります。
左脳は言葉を理解したり選んだりする働きが中心ですが、話すための運動には左右両方の脳が関わっています。
そのため、脳卒中では障害された場所によって症状が異なります。
脳の左右だけで判断するのではなく、「どこが障害され、どのような症状が出ているか」を正しく評価し、
その方に合ったリハビリを行うことが大切です。

