パーキンソン病の構音障害とは?
パーキンソン病になると、
「声が小さくなった」
「何を言っているか分からないと言われる」
「以前より早口になった」
といった話し方の変化がみられることがあります。
手足の震えや動きにくさはよく知られていますが、実は話すことにも大きな影響を与える病気です。
このような話しにくさは、パーキンソン病による構音障害が原因かもしれません。
この記事では、パーキンソン病の構音障害について、ご本人やご家族向けに分かりやすく解説します。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、脳の中のドパミンという物質が減少することで起こる神経の病気です。
主な症状として、
- 手足の震え
- 動作がゆっくりになる
- 体がこわばる
- バランスを崩しやすくなる
などがあります。
そして、体の動きだけでなく、話すための筋肉の動きにも影響が及びます。
なぜ話しにくくなるの?
私たちは話すときに、
- 呼吸
- 声帯
- 舌
- 唇
- あご
などを細かく動かしています。
パーキンソン病では全身の動きが小さくなりやすく、話すための筋肉も同じように動きが小さくなります。
その結果、
- 声が小さくなる
- 発音が不明瞭になる
- 話し方が単調になる
といった症状が現れます。
パーキンソン病の構音障害の特徴
声が小さくなる
最もよくみられる症状の一つです。
本人は普段通り話しているつもりでも、周囲には小さな声に聞こえます。
電話や騒がしい場所では特に聞き取りにくくなることがあります。
早口になる
意外に思われるかもしれませんが、パーキンソン病では早口になることがあります。
これを「加速現象」と呼びます。
話しているうちにスピードが速くなり、さらに聞き取りにくくなります。
発音が不明瞭になる
舌や唇の動きが小さくなることで、
- ろれつが回らない
- 音がはっきりしない
といった症状がみられます。
抑揚が少なくなる
声の高さや強さの変化が少なくなり、
一本調子な話し方になることがあります。
感情がないように誤解されることもありますが、実際には感情がなくなったわけではありません。
「声が小さいだけ」と思われやすい
パーキンソン病の構音障害は、
「年齢のせい」
「もともと声が小さい人」
と思われることがあります。
しかし実際には病気による症状です。
ご本人も気付きにくいため、家族が先に変化に気付くことも少なくありません。
嚥下障害との関係
パーキンソン病では、構音障害と嚥下障害が一緒にみられることがあります。
話すことと飲み込むことは、
- 舌
- 唇
- のど
など共通する器官を使っているためです。
そのため、
- むせが増えた
- 声がかすれる
- 話しにくくなった
という変化がみられた場合は注意が必要です。
リハビリはできるの?
はい、可能です。
パーキンソン病の構音障害では、言語聴覚士によるリハビリが行われます。
例えば、
- 大きな声を出す練習
- はっきり発音する練習
- 呼吸訓練
- 音読練習
などがあります。
特に「大きな声で話すこと」を意識する訓練は、多くの方で効果が期待できます。
家族ができるサポート
パーキンソン病の方と話すときは、
- 静かな場所で会話する
- 顔を見ながら話す
- 急がせない
- 聞き取れないときは優しく聞き返す
ことが大切です。
また、「もっと大きな声で!」と何度も注意するより、
「今の話、もう一度聞かせてください」
と穏やかに伝える方が、ご本人の負担が少なくなります。
まとめ
パーキンソン病では、体の動きだけでなく、話すための筋肉の動きも小さくなるため構音障害が起こります。
その結果、
- 声が小さい
- 早口になる
- 発音が不明瞭になる
- 抑揚が少なくなる
といった特徴がみられます。
ご本人の努力不足ではなく病気による症状です。
適切なリハビリや周囲の理解によって、コミュニケーションのしやすさを高めることができます。

