ALS(筋萎縮性側索硬化症)の構音障害とは?
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された方やご家族の中には、
「最近、言葉が聞き取りにくくなった」
「ろれつが回らなくなってきた」
「将来話せなくなるのではないかと不安」
と感じている方もいるかもしれません。
ALSでは手足の筋力低下だけでなく、話すことや飲み込むことにも影響が現れることがあります。
この記事では、ALSによる構音障害について、ご本人やご家族向けに分かりやすく解説します。
ALSとは?
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、筋肉を動かす神経(運動ニューロン)が徐々に障害される病気です。
その結果、
- 手足が動かしにくくなる
- 力が入りにくくなる
- 飲み込みにくくなる
- 話しにくくなる
といった症状が現れます。
一方で、多くの場合は記憶や理解力が比較的保たれるため、
「考えていることははっきりしているのに、体が思うように動かない」という状況になることがあります。
なぜ話しにくくなるの?
私たちは話すときに、
- 舌
- 唇
- あご
- のど
- 声帯
などの筋肉を使っています。
ALSでは、これらの筋肉を動かす神経が徐々に障害されるため、筋肉の力が弱くなっていきます。
すると、
- 舌が動かしにくい
- 唇に力が入りにくい
- 声が出しにくい
といった状態になり、構音障害が起こります。
ALSの構音障害の特徴
ろれつが回らなくなる
ALSの初期症状として、
「最近、発音が不明瞭になった」という変化がみられることがあります。
特に、
- た行
- だ行
- な行
- ら行
など舌を使う音が言いにくくなることがあります。
舌が動かしにくくなる
ALSでは舌の筋力が低下することがあります。
すると、
- 発音がぼやける
- 長く話すと疲れる
- 会話に時間がかかる
ようになります。
声が小さくなる
呼吸や声帯の筋力低下によって、
- 声量が低下する
- 長い文章を話しにくくなる
ことがあります。
鼻声になる
のどの奥にある軟口蓋の動きが弱くなると、
- 声が鼻に抜ける
- 発音がさらに聞き取りにくくなる
ことがあります。
話しにくさは徐々に進行する
脳卒中の構音障害は改善することがありますが、ALSでは症状が少しずつ進行していくことが特徴です。
そのため、「今どれだけ話せるか」だけでなく、
「将来どのようにコミュニケーションを続けるか」を早めに考えておくことが大切です。
コミュニケーション手段を準備することが重要
ALSでは、話すことが難しくなった場合に備えて、代わりのコミュニケーション手段を準備していきます。
例えば、
- 筆談
- 文字盤
- タブレット端末
- 意思伝達装置
などがあります。
話せなくなってから準備するのではなく、話せるうちから練習を始めることが大切です。
嚥下障害との関係
ALSでは構音障害と嚥下障害が同時に現れることが少なくありません。
なぜなら、
- 舌
- 唇
- のど
は話すときにも飲み込むときにも使われるからです。
そのため、
- むせが増えた
- 食事に時間がかかる
- 発音が不明瞭になった
といった変化があれば、早めに医師や言語聴覚士へ相談しましょう。
家族ができるサポート
ALSの方は、「伝えたいことはあるのに、うまく話せない」
という大きなもどかしさを感じています。
ご家族は、
- 急がせない
- 最後まで聞く
- 静かな環境で話す
- 聞き取れないときは確認する
ことを心掛けましょう。
また、将来のコミュニケーション方法について一緒に考えることも大切な支援になります。
まとめ
ALSでは、話すための筋肉を動かす神経が障害されることで構音障害が起こります。
その結果、
- ろれつが回らない
- 舌が動かしにくい
- 声が小さくなる
- 鼻声になる
といった症状が現れます。
ALSの構音障害は進行することが多いため、早い段階からリハビリやコミュニケーション支援を始めることが大切です。
話す力をできるだけ長く保ちながら、その人らしい生活を支えることが重要になります。

