高次脳機能障害における作業療法士の役割とは?

高次脳機能障害のリハビリでは、作業療法士(OT)が関わることがあります。

しかし、

「作業療法士って何をする人?」
「理学療法士との違いは?」
「高次脳機能障害にどんな支援をしてくれるの?」

と疑問に思う方も多いでしょう。

作業療法士は、日常生活や社会生活への復帰を支援する専門職です。

高次脳機能障害では、記憶や注意だけでなく、

実際の生活の中で困ることが多いため、作業療法士の役割はとても重要です。

この記事では、高次脳機能障害における作業療法士の役割についてわかりやすく解説します。

作業療法士とは?

作業療法士(Occupational Therapist:OT)は、日常生活に必要な活動を支援する国家資格です。

ここでいう「作業」とは、

  • 食事
  • 着替え
  • 家事
  • 買い物
  • 仕事
  • 趣味活動

など、人が生活する上で行うさまざまな活動を指します。

作業療法士は、それらの活動ができるようになることを目標に支援を行います。

なぜ高次脳機能障害で作業療法士が関わるの?

高次脳機能障害では、

  • 記憶障害
  • 注意障害
  • 遂行機能障害
  • 半側空間無視

などによって、日常生活に支障が生じます。

例えば、

  • 買い物で必要な物を忘れる
  • 料理の手順が分からなくなる
  • 家事が途中で止まる

といった問題です。

作業療法士は、このような「生活の困りごと」に直接アプローチします。

日常生活の評価を行う

まず作業療法士は、

「何ができて、何に困っているのか」

を評価します。

例えば、

  • 食事
  • 着替え
  • 入浴
  • 家事

などの様子を確認します。

単に検査結果を見るだけではなく、実際の生活場面を重視するのが特徴です。

家事や買い物の練習

高次脳機能障害では、日常生活の段取りが難しくなることがあります。

例えば、

料理

  • 材料を準備できない
  • 手順を忘れる
  • 同時進行ができない

買い物

  • 必要な物を忘れる
  • 支払いを間違える

などです。

作業療法士は、実際の生活に近い課題を通して練習を行います。

遂行機能障害への支援

遂行機能障害とは、

  • 計画を立てる
  • 順序を考える
  • 問題を解決する

能力が低下した状態です。

作業療法士は、

  • スケジュール管理
  • チェックリスト作成
  • 生活手順の整理

などを支援します。

「どうすれば生活しやすくなるか」を一緒に考えることが大切な役割です。

半側空間無視への支援

右脳の損傷などで半側空間無視がある場合、

  • 左側に気づかない
  • 左側の物を見落とす

ことがあります。

そのため、

  • 左側を見る練習
  • 環境調整
  • 安全確認の方法

などを支援します。

転倒や事故の予防にもつながります。

復職や社会復帰の支援

高次脳機能障害では、

「家では生活できるけれど仕事は難しい」

ということもあります。

作業療法士は、

  • 作業能力の評価
  • 疲労管理
  • 業務の練習

などを行い、復職に向けた支援を行うことがあります。必要に応じて、

  • 就労支援機関
  • 職場

との連携も行います。

趣味や生きがいを取り戻す支援

作業療法士は、「生活を楽しむこと」も大切にしています。

例えば、

  • 園芸
  • 手芸
  • 料理
  • スポーツ

など、本人が大切にしていた活動を再開できるよう支援します。

これは生活の質(QOL)を高めるうえで重要です。

家族へのアドバイス

高次脳機能障害では、ご家族も困りごとを抱えることがあります。

作業療法士は、

  • 環境の整え方
  • 安全対策
  • 生活の工夫

について助言を行います。

ご本人だけでなく、ご家族を支えることも大切な役割です。

理学療法士との違いは?

よく混同される職種に理学療法士があります。

理学療法士(PT)

主に、

  • 歩行
  • 筋力
  • バランス

など身体機能を担当します。

作業療法士(OT)

主に、

  • 家事
  • 仕事
  • 趣味
  • 社会生活

など生活活動を担当します。

高次脳機能障害では、作業療法士が中心的に関わる場面も少なくありません。

まとめ

作業療法士は、高次脳機能障害によって生じる生活上の困りごとを支援する専門職です。

主な役割として、

  • 日常生活の評価
  • 家事や買い物の練習
  • 遂行機能障害への支援
  • 半側空間無視への支援
  • 復職支援
  • 家族支援

などがあります。

目標は単に訓練を行うことではなく、ご本人が自分らしい生活を送れるようになることです。

高次脳機能障害で生活に困りごとがある場合は、作業療法士に相談してみるとよいでしょう。

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