病院受診で家族が気をつけること
失語症の方にとって、病院受診は意外と大きな負担になることがあります。
病院では、
・症状を説明する
・質問に答える
・医師の説明を理解する
といった場面が多くあります。
これらはすべて「言葉」を使うため、失語症の方にとって難しくなりやすいのです。
ご家族が少しサポートするだけで、受診がスムーズになり、ご本人の不安も軽減できます。
この記事では、病院受診の際に家族が気をつけたいポイントについて解説します。
失語症の方にとって病院は負担が大きい
病院では初対面の医療スタッフと話す機会が多くあります。
また、
・待ち時間が長い
・周囲が騒がしい
・緊張しやすい
といった環境もあります。
失語症の方は緊張すると言葉が出にくくなることがあるため、普段より症状が強く見えることもあります。
まずは病院受診そのものが大変な出来事であることを理解しておきましょう。
事前に聞きたいことを整理しておく
診察室に入ると、
「何を聞こうとしていたんだっけ?」
となることがあります。
そのため、
・気になる症状
・困っていること
・医師に聞きたいこと
を事前にメモしておくことがおすすめです。
家族がメモを作成しておくことで、診察時間を有効に使えます。
本人の話す機会を奪わない
病院では家族がすべて説明してしまうことがあります。
もちろん必要なサポートは大切ですが、ご本人が話そうとしているときは、まず本人に話してもらいましょう。
例えば、
医師
「最近はいかがですか?」
本人が答える
↓
必要な部分を家族が補足する
という流れが理想的です。
本人が自分の症状や気持ちを伝える機会を大切にしましょう。
医師の説明は本人にも向けてもらう
失語症があると、医療者が家族だけに説明してしまうことがあります。
しかし、ご本人は会話を理解できている場合も少なくありません。
そのため、
家族だけを見るのではなく、
本人にも説明してもらう
ことが大切です。
必要に応じて、
「本人にも分かりやすく説明していただけますか」
とお願いするのもよいでしょう。
難しい言葉は確認する
医療現場では専門用語が使われることがあります。
ご本人だけでなく、ご家族も理解が難しいことがあります。
分からない言葉があれば、
「もう少し分かりやすく説明していただけますか」
と確認しましょう。
理解したつもりで帰宅すると、後で困ることがあります。
メモを取りながら聞く
医師の説明は情報量が多くなりがちです。
失語症の方はもちろん、ご家族もすべて覚えることは難しいものです。
そのため、
・治療内容
・薬の説明
・次回受診日
・注意事項
などをメモしておくと安心です。
スマートフォンのメモ機能を活用するのもよいでしょう。
本人の意思を確認する
治療方針や検査について説明を受ける際は、ご本人の意思を確認することが大切です。
失語症があるからといって、判断能力が失われているわけではありません。
例えば、
「検査を受けたいですか?」
「この治療についてどう思いますか?」
といった形で、本人の考えを確認しましょう。
疲れている様子にも気を配る
病院受診は想像以上に疲れます。
待ち時間や会話が続くことで、言葉を使うエネルギーを多く消費するためです。
受診後に、
・話さなくなる
・反応が遅くなる
・疲れた様子を見せる
こともあります。
受診後は無理に予定を詰め込まず、休息時間を確保するとよいでしょう。
困ったときは失語症を伝える
受付や検査室などで、
「失語症があります」
と一言伝えるだけで、対応が変わることがあります。
医療スタッフも状況を理解しやすくなり、ゆっくり説明してくれる場合があります。
必要に応じて、
「話すことが難しいことがあります」
と伝えておくと安心です。
まとめ
失語症の方が病院を受診するときは、
・事前に質問を整理する
・本人の話す機会を大切にする
・医師の説明を一緒に確認する
・メモを取る
・本人の意思を確認する
・疲労に配慮する
ことが大切です。
ご家族は「代わりに話す人」ではなく、「本人が伝えることを支える人」という役割を意識すると、
より良い受診につながります。
少しの工夫で、病院受診はご本人にとって安心できる時間になります。

