失語症で新聞や本が読めなくなることはある?
失語症になると、
「新聞が読めなくなった」
「本を開いても内容が頭に入らない」
「文字は見えるのに意味が分からない」
という症状が現れることがあります。
ご本人にとっては、
「今まで普通に読めていたのに、なぜ読めないのだろう」
と大きな戸惑いを感じることも少なくありません。
また、ご家族からも、
「目は見えているのに読めないのですか?」
という質問を受けることがあります。
この記事では、失語症で新聞や本が読めなくなる理由についてわかりやすく解説します。
失語症では「読む力」にも影響が出る
失語症は、
- 話す
- 聞く
- 読む
- 書く
といった言語機能の障害です。
そのため、「話せなくなる病気」というイメージがありますが、
読む力にも影響が現れることがあります。
この症状を「失読(しつどく)」と呼ぶことがあります。
目の問題ではない
失語症で新聞や本が読めなくなる場合、
目が悪くなったわけではありません。
文字は見えています。
しかし、文字を言葉として理解する脳の働き
が障害されるため、意味を理解することが難しくなります。
つまり、「見えている」と「読める」は同じではありません。
文字は読めても意味が分からないことがある
失語症の方の中には、文字を声に出して読むことはできる場合があります。
例えば、「今日は良い天気です」という文章を音読することはできます。
しかし、「何と書いてありましたか?」
と聞かれると内容を説明できないことがあります。
これは文字の意味を理解することが難しくなっているためです。
一文字ずつなら読めることもある
失語症では、
- 一文字
- 短い単語
は読めても、
- 長い文章
- 新聞記事
- 小説
になると難しくなることがあります。
文章が長くなると、
- 文字を読む
- 意味を理解する
- 内容を記憶する
という複数の作業が必要になるためです。
漢字が読みにくくなることもある
失語症では、漢字だけが読みにくくなる場合があります。
例えば、
- ひらがなは読める
- 漢字は読めない
というケースです。
反対に、漢字は読めるがひらがなが難しいこともあります。
症状は障害された脳の部位によって異なります。
新聞が読みにくくなる理由
新聞は失語症の方にとって難易度が高い読み物です。
その理由として、
- 文章が長い
- 難しい言葉が多い
- 情報量が多い
- 漢字が多い
ことが挙げられます。
そのため、見出しは読めても本文が理解できないことがあります。
本が読めなくなる理由
本も同様です。特に小説では、
- 登場人物を覚える
- 話の流れを理解する
- 前後関係を整理する
必要があります。
失語症ではこれらの処理が難しくなり、途中で内容が分からなくなることがあります。
読書が好きだった人ほどつらい
失語症になる前に、
- 読書が趣味だった
- 新聞を毎日読んでいた
という方は少なくありません。
そのため、読めなくなったこと自体が大きなショックになることがあります。
ご本人の悔しさや喪失感を理解することも大切です。
リハビリで改善する可能性がある
読む力に対しては、
- 文字と絵の対応訓練
- 単語理解訓練
- 音読練習
- 読解訓練
などが行われます。
短い文章から少しずつ練習することで、改善がみられることがあります。
家族ができる工夫
読む力が低下している場合は、
- 短い文章を使う
- 大きな文字にする
- 重要な部分に線を引く
- 写真やイラストを活用する
といった工夫が役立ちます。
また、「前のように読めない」ことを責めたり無理をさせたりしないことも大切です。
まとめ
失語症では新聞や本が読めなくなることがあります。
これは目の問題ではなく、文字を言葉として理解する脳の働きが障害されるためです。
特に長い文章や難しい内容になるほど理解が難しくなることがあります。
しかし、適切なリハビリによって改善する可能性もあります。
読書が難しくなっても、ご本人の努力不足ではありません。
周囲が理解し、無理のない形で読む機会を支えていくことが大切です。

