自動的発話を活用したリハビリ
失語症になると、
「言いたい言葉が出てこない」
「名前が言えない」
「会話がうまくできない」
といった症状が現れます。
しかし、その一方で、
- 「おはよう」
- 「ありがとう」
- 「いただきます」
- 数を数える
- 曜日を言う
などは比較的スムーズに言えることがあります。
このような自然に出てくる言葉を自動的発話と呼びます。
失語症リハビリでは、この自動的発話を活用して言葉を引き出すことがあります。
この記事では、自動的発話を活用したリハビリについてわかりやすく解説します。
自動的発話とは?
自動的発話とは、習慣的に使われる言葉や、繰り返し覚えた言葉のことです。
例えば、
- おはようございます
- こんにちは
- ありがとうございます
- 1から10まで数える
- 曜日を言う
- 歌を歌う
などがあります。
普段あまり意識せずに言える言葉が該当します。
なぜ自動的発話は言いやすいの?
失語症では、自分で言葉を探して話すことが難しくなることがあります。
一方で、長年繰り返し使ってきた言葉は比較的保たれやすいことがあります。
そのため、会話は難しいのに「おはよう」は言えるということが起こります。
重度の失語症でも残ることがある
自動的発話は、重度の失語症でも比較的保たれることがあります。
例えば、名前は言えなくても、数を数えることはできるという方がいます。
そのため、自動的発話はリハビリの入り口として活用されることがあります。
数唱を利用したリハビリ
代表的な方法の一つが、数唱(すうしょう)です。
例えば、「1、2、3、4……」と数を数えます。
最初は一緒に行い、徐々に一人で言えるようにしていきます。
発話へのウォーミングアップとしても活用されます。
曜日や月を言う練習
曜日や月の名前も、自動的発話として利用されることがあります。
例えば、
- 月曜日
- 火曜日
- 水曜日
と順番に言います。
これも比較的言いやすい課題の一つです。
あいさつを活用する
日常生活でよく使うあいさつも有効です。
例えば、
- おはようございます
- こんにちは
- こんばんは
などです。
実際の生活場面で使う機会が多いため、実用的な訓練になります。
歌を利用することもある
失語症の方の中には、会話は難しいのに歌なら歌えるという方がいます。
これは音楽と言語が異なる脳のネットワークを利用しているためと考えられています。
好きな歌を歌うことが発話のきっかけになることもあります。
自動的発話から会話へつなげる
自動的発話だけができても、日常会話ができるとは限りません。
そのため、自動的発話を足がかりにして、
- 単語
- 短文
- 会話
へと発展させていきます。
例えば、「1、2、3」が言えたら、
次に物の名前を言う練習へ進みます。
家庭でも取り組みやすい
自動的発話は、家庭でも簡単に行えます。
例えば、朝のあいさつや数唱を日課にするだけでも練習になります。
成功しやすい課題なので、自信につながりやすいというメリットもあります。
家族が気をつけたいこと
自動的発話ができるからといって、会話もできるとは限りません。
そのため、「数は言えるのに、なぜ会話できないの?」と考えないことが大切です。
失語症では、自動的発話と自発的な会話は別の能力だからです。
まとめ
自動的発話とは、あいさつや数唱など、習慣的に使う言葉のことです。
失語症では、会話が難しくても自動的発話は比較的保たれる
ことがあります。
そのため、
- 数唱
- 曜日
- あいさつ
- 歌
などを活用したリハビリが行われます。
自動的発話は言葉を引き出す大切なきっかけになります。
成功体験を積み重ねながら、会話へつなげていくことが大切です。

