聴理解訓練とは?話を理解する力を高める方法
失語症になると、
「相手の話が分からない」
「聞こえているのに意味が理解できない」
「長い説明についていけない」
といった症状が現れることがあります。
このような症状に対して行われるリハビリが、聴理解訓練(ちょうりかいくんれん)です。
失語症のリハビリというと「話す練習」のイメージが強いかもしれません。
しかし、会話を成り立たせるためには相手の話を理解する力も非常に重要です。
この記事では、聴理解訓練の目的や方法についてわかりやすく解説します。
聴理解とは?
聴理解とは、聞いた言葉の意味を理解する力のことです。
例えば、「コップを取ってください」と言われたときに、
その内容を理解して行動できる能力です。
失語症では、音は聞こえているのに意味が分からないことがあります。
なぜ聴理解が難しくなるの?
私たちは会話を聞くとき、
- 音を聞く
- 言葉として認識する
- 意味を理解する
という過程を経ています。
失語症では、言葉の意味を処理する脳の働きが障害されることがあります。
そのため、耳は正常でも会話の内容が理解できなくなることがあります。
聴理解訓練とは?
聴理解訓練とは、聞いた言葉を理解する力を高めるための訓練です。
失語症の程度に応じて、簡単な課題から段階的に進めていきます。
絵の指差し訓練
最も基本的な訓練の一つです。
例えば、机の上に
- りんご
- バナナ
- みかん
の絵を並べます。
そのうえで、「りんごを指してください」と伝えます。
聞いた言葉と絵を結び付ける練習になります。
単語理解訓練
単語の意味を理解する練習です。
例えば、
- 犬
- 猫
- 車
などの単語を聞いて正しい絵を選びます。
理解力の基礎を作る訓練です。
指示理解訓練
少し難しくなると、行動を伴う課題を行います。
例えば、
- ペンを持ってください
- コップに触ってください
- ノートを開いてください
などです。
日常生活に近い形で理解力を鍛えることができます。
複数の指示を理解する練習
理解力が向上してきたら、二段階以上の指示に取り組みます。
例えば、「ペンを取ってノートの上に置いてください」といった課題です。
より実際の会話に近い内容になります。
短文理解訓練
文章の意味を理解する練習です。
例えば、「男の子がボールを投げています」という文を聞いて、
正しい絵を選びます。
単語だけでなく文章全体の理解を促します。
長い説明の理解練習
回復が進んだ段階では、短い会話や説明文を聞いて内容を答える訓練も行います。
例えば、「今日は朝から雨が降っていたので傘を持って出かけました」という文を聞いて、
「なぜ傘を持ったのでしょうか?」と質問します。
家庭でもできる聴理解訓練
聴理解訓練は家庭でも取り組めます。
例えば、
- 「時計を指してください」
- 「テレビを消してください」
- 「冷蔵庫からお茶を持ってきてください」
などの日常的な声かけが練習になります。
特別な教材がなくても行えるのが特徴です。
家族が気をつけたいこと
聴理解が難しい方には、
- ゆっくり話す
- 短い文で伝える
- 一度に一つの内容を話す
ことが大切です。
また、理解できなかったときに何度も大声で繰り返すより、
言い方を変える方が効果的なこともあります。
聴理解が改善すると生活が変わる
聴理解が向上すると、
- 会話がしやすくなる
- 家族とのやり取りが増える
- 外出しやすくなる
- 自信がつく
など、生活全体に良い影響を与えます。
そのため、失語症リハビリの中でも重要な訓練の一つとされています。
まとめ
聴理解訓練とは、聞いた言葉の意味を理解する力を高めるリハビリです。
具体的には、
- 絵の指差し
- 単語理解
- 指示理解
- 短文理解
などの訓練を行います。
会話は「話す力」だけでなく「理解する力」も必要です。
聴理解訓練を通して理解力を高めることで、日常生活やコミュニケーションの改善につながります。

