メモや日記が書けなくなるのはなぜ?
失語症になると、
「買い物メモが書けなくなった」
「日記を書こうとしても文章が出てこない」
「頭では分かっているのに文字にできない」
といった悩みがみられることがあります。
会話はある程度できる方でも、メモや日記を書くことになると急に難しくなることは珍しくありません。
この記事では、失語症でメモや日記が書けなくなる理由についてわかりやすく解説します。
メモや日記は意外と高度な作業
私たちは普段、何気なくメモや日記を書いています。
しかし実際には、
- 何を書くか考える
- 言葉を選ぶ
- 文章を組み立てる
- 文字を思い出す
- 手を動かして書く
という多くの作業を同時に行っています。
失語症では、この過程のどこかに障害が生じるため、書くことが難しくなります。
話せても書けないことがある
失語症では、話す力と書く力が同じように回復するわけではありません。
例えば、会話では「今日は病院へ行った」と話せるのに、
紙に書こうとすると何も書けないことがあります。
これは文字を思い出したり文章を構成したりする力が低下しているためです。
書きたい言葉が思い出せない
メモや日記を書くときには、伝えたい内容を言葉に変える必要があります。
しかし失語症では、
- 言葉が出てこない
- 漢字が思い出せない
- 適切な表現が浮かばない
ことがあります。
そのため、何を書けばいいか分かっているのに書けない状態になることがあります。
文章を組み立てるのが難しくなる
単語は書けても、文章になると難しくなることがあります。
例えば、「今日は病院へ行って、そのあと買い物をしました」と書きたいのに、
「今日 病院 買い物」だけになってしまうことがあります。
これは文章を構成する力が低下しているためです。
漢字が思い出せない
日記やメモでは、多くの漢字を使います。
失語症では、
- 漢字の形が浮かばない
- 一部しか書けない
- ひらがなばかりになる
ことがあります。
特に日常生活であまり使わない漢字ほど難しくなる傾向があります。
書いている途中で内容を忘れてしまう
日記を書くためには、書きたい内容を頭の中に保持しておく必要があります。
しかし失語症や高次脳機能障害を伴う場合、途中で内容を忘れてしまうことがあります。
その結果、文章が途中で終わってしまったり、まとまりがなくなったりすることがあります。
日記は特に難しい
メモは短い単語でも成り立ちます。
例えば、
- 牛乳
- 病院
- 薬
だけでも目的を果たせます。
一方で日記は、出来事を文章としてまとめる必要があります。
そのため、メモより日記の方が難しいことが少なくありません。
LINEやメールでも同じことが起こる
最近では、
- LINE
- メール
- SNS
などでも同様の困りごとがみられます。
文章を考える負担が大きいため、返信を書くのに時間がかかることがあります。
リハビリで改善する可能性がある
書字障害に対しては、
- 単語書字訓練
- 短文作成訓練
- 日記練習
- メモ作成練習
などが行われます。
短い文章から少しずつ練習することで改善が期待できます。
家族ができる工夫
メモや日記を書くことが難しい場合は、
- 箇条書きから始める
- 一文だけ書く
- 写真と組み合わせる
- 漢字にこだわりすぎない
といった工夫が役立ちます。
また、「前のように書けない」ことを責めないことも大切です。
まとめ
失語症でメモや日記が書けなくなるのは、
- 言葉が思い出せない
- 文章を組み立てられない
- 漢字が書けない
- 内容を保持できない
といった理由があるためです。
特に日記は、話す以上に多くの能力を必要とするため難しく感じることがあります。
しかし、短いメモや簡単な文章から練習を続けることで改善する可能性があります。
焦らず、その人に合った方法で取り組むことが大切です。

