失語症による書字障害とは?
失語症になると、
「文字が書けなくなった」
「漢字が思い出せない」
「文章を書こうとしても途中で止まってしまう」
といった症状が現れることがあります。
このような「書くこと」の障害を、書字障害(しょじしょうがい)と呼びます。
失語症というと会話の障害が注目されがちですが、実際には書く力にも大きな影響が及ぶことがあります。
この記事では、失語症による書字障害の特徴や原因、リハビリについてわかりやすく解説します。
書字障害とは?
書字障害とは、文字や文章を書くことが難しくなる症状のことです。
失語症では、
- 自分の名前が書けない
- 漢字が思い出せない
- メモが書けない
- 日記が書けない
- LINEやメールが作れない
などの症状がみられることがあります。
専門的には失書(しっしょ)と呼ばれることもあります。
なぜ書字障害が起こるの?
文字を書くためには、
- 書きたい内容を考える
- 言葉を選ぶ
- 文字を思い出す
- 正しい順番で並べる
- 手を動かして書く
という複数の作業が必要です。
失語症では、脳の言語中枢が障害されることで、これらの過程に問題が生じます。
その結果、書くことが難しくなります。
手が動かないわけではない
書字障害があると、「手の麻痺が原因では?」と思われることがあります。
しかし、失語症による書字障害では、ペンを持って字を書く動作はできることが少なくありません。
問題は、何を書けばよいか分からない、文字が思い出せないという言語機能の障害です。
書字障害の主な症状
漢字が思い出せない
最もよくみられる症状の一つです。
例えば、「病院」という言葉は理解できても、
漢字で書こうとすると書けないことがあります。
ひらがなやカタカナが書けない
症状によっては、かな文字を書くことが難しくなることもあります。
名前や住所が書けない
自分の名前や住所のような身近な情報でも、文字として表現できなくなることがあります。
文章が作れない
単語は書けても、文章としてまとめることが難しくなる場合があります。
書き間違いが増えることもある
失語症では、文字の言い間違いに似た症状が書字にも現れます。
例えば、
- 漢字を間違える
- 文字を抜かす
- 文字の順番が入れ替わる
といった誤りがみられることがあります。
話せるのに書けないこともある
失語症では、話す力と書く力が一致しないことがあります。
例えば、会話ではスムーズに話せるのに、文章を書くことが難しいという方もいます。
反対に、話すことは難しいが書く方が得意という場合もあります。
日常生活への影響
書字障害はさまざまな場面で困りごとにつながります。
例えば、
- 病院の問診票
- 銀行の手続き
- 買い物メモ
- カレンダーへの予定記入
- LINEやメール
などです。
そのため、生活の自立にも影響することがあります。
リハビリでは何をする?
書字障害に対しては、
- なぞり書き
- 写字
- 漢字練習
- 単語書字訓練
- 短文作成訓練
などが行われます。
症状に応じて段階的に練習を進めます。
家族ができる工夫
書字障害がある方には、
- 見本を用意する
- メモ帳を活用する
- スマートフォンの予測変換を使う
- 音声入力を活用する
といった工夫が役立ちます。
また、「ちゃんと書いて」と急かすのではなく、
書きやすい環境を整えることが大切です。
まとめ
失語症による書字障害とは、文字や文章を書くことが難しくなる症状です。
原因は手の問題ではなく、言葉や文字を処理する脳の働きの障害にあります。
症状としては、
- 漢字が思い出せない
- 名前や住所が書けない
- 文章が作れない
などがみられます。
適切なリハビリや支援によって改善する可能性があるため、焦らず継続的に取り組むことが大切です。

