失語症の種類にはどんなものがある?
失語症と一言でいっても、症状は人によってさまざまです。
「言葉が出にくい人」
「話はできるけれど理解が難しい人」
「話すことも理解することも難しい人」
など、現れ方は大きく異なります。
これは、脳のどの部位が障害されたかによって症状が変わるためです。
この記事では、代表的な失語症の種類についてわかりやすく解説します。
失語症は大きくいくつかのタイプに分けられる
失語症は、話す・聞く・読む・書く能力の障害の現れ方によって分類されます。
代表的なものとして、
- ブローカ失語
- ウェルニッケ失語
- 健忘失語
- 伝導失語
- 全失語
- 超皮質性失語
があります。
ブローカ失語
ブローカ失語は、左前頭葉のブローカ野が障害されることで起こります。
特徴
- 言葉が出にくい
- 話す量が少ない
- 努力して話す
- 短い文になりやすい
例
「お茶を飲みたい」
と言いたくても、
「お茶……飲む……」
のような話し方になることがあります。
一方で、比較的理解は保たれていることが多いのが特徴です。
ウェルニッケ失語
ウェルニッケ失語は、左側頭葉のウェルニッケ野が障害されることで起こります。
特徴
- 相手の話が理解しにくい
- 流暢に話す
- 言い間違いが多い
- 内容が伝わりにくい
例
会話はスムーズに見えても、
「テレビ」を「ラジオ」
と言うなどの錯語が多くみられます。
健忘失語
健忘失語は比較的軽度の失語症です。
特徴
- 言葉が思い出しにくい
- 名前が出てこない
- 会話は比較的可能
例
コップを見て、
「ほら、飲み物を入れるやつ」
と説明できるものの、「コップ」という言葉が出てこないことがあります。
伝導失語
伝導失語は、言語中枢同士を結ぶ神経経路が障害されることで起こります。
特徴
- 会話は比較的できる
- 理解も保たれる
- 復唱が苦手
例
「今日は良い天気ですね」
と繰り返してもらうと、うまく言えないことがあります。
全失語
全失語は、左半球の広い範囲が障害された場合に起こる重度の失語症です。
特徴
- 話すことが難しい
- 理解も難しい
- 読むことが難しい
- 書くことが難しい
言語機能全体に大きな影響がみられます。
超皮質性失語
超皮質性失語は比較的まれな失語症です。
特徴
- 自発的な会話が少ない
- 復唱は保たれる
障害される部位によって症状が異なり、
- 超皮質性感覚失語
- 超皮質性運動失語
- 混合型超皮質性失語
などに分けられます。
実際には分類どおりにならないことも多い
教科書では失語症を種類ごとに分類しますが、実際の患者さんでは複数の特徴が混在することも少なくありません。
例えば、
- ブローカ失語に理解面の問題がある
- 健忘失語に軽い読字障害がある
などです。
そのため、失語症のタイプはあくまで目安として考えることが大切です。
種類によってリハビリも変わる
失語症のリハビリは、症状に合わせて行われます。
例えば、
- ブローカ失語 → 発話訓練
- ウェルニッケ失語 → 聴理解訓練
- 健忘失語 → 呼称訓練
などが中心になります。
言語聴覚士が評価を行い、その方に合った訓練を提案します。
まとめ
失語症にはさまざまな種類があります。
代表的なものは、
- ブローカ失語
- ウェルニッケ失語
- 健忘失語
- 伝導失語
- 全失語
- 超皮質性失語
です。
障害された脳の部位によって症状は異なります。
まずは自分やご家族がどのようなタイプの失語症なのかを理解することが、適切な支援やリハビリにつながります。

