どの脳の部位が障害されると失語症になる?
まずは5分ほどの動画で全体像をご覧ください。
その後、記事でさらに詳しく解説しています。
失語症は、脳卒中や頭部外傷などによって脳が損傷されることで起こります。
では、脳のどの部分が障害されると失語症になるのでしょうか?
実は、言葉の機能には脳の特定の部位が深く関わっています。そのため、損傷された場所によって失語症の症状も異なります。
この記事では、失語症と脳の部位の関係についてわかりやすく解説します。
言葉の機能は主に左脳にある
多くの人では、言葉をつかさどる中枢は左脳にあります。
左脳には、
- 話す
- 聞いて理解する
- 読む
- 書く
といった言語機能を担う領域があります。
そのため、左脳が損傷されると失語症が起こりやすくなります。
一方、右脳が損傷されても失語症は起こりにくいことが一般的です。
ブローカ野とは?
ブローカ野は、左前頭葉の下部にある言語領域です。
主に、
- 言葉を話す
- 文を組み立てる
- 発話を計画する
役割を担っています。
この部位が障害されると、ブローカ失語が起こります。
主な症状
- 言葉が出にくい
- 話す量が少ない
- 短い言葉しか話せない
- 努力しながら話す
一方で、比較的理解は保たれていることが多いのが特徴です。
ウェルニッケ野とは?
ウェルニッケ野は、左側頭葉の後方にある言語領域です。
主に、
- 言葉を理解する
- 聞いた言葉の意味を処理する
役割を担っています。
この部位が障害されると、ウェルニッケ失語が起こります。
主な症状
- 相手の話が理解しにくい
- 言い間違いが多い
- 流暢に話すが内容が伝わりにくい
本人が障害に気づきにくい場合もあります。
ブローカ野とウェルニッケ野を結ぶ経路
脳の中では、ブローカ野とウェルニッケ野が神経線維によって結ばれています。
この経路が障害されると、伝導失語が起こります。
主な症状
- 話すことはできる
- 理解も比較的保たれる
- 復唱が難しい
という特徴があります。
広い範囲が障害されると全失語になる
脳卒中などによって左脳の広い範囲が損傷されると、全失語になることがあります。
主な症状
- 話すことが難しい
- 理解も難しい
- 読むことが難しい
- 書くことが難しい
失語症の中でも重度のタイプです。
脳の部位と症状は完全には一致しない
失語症の教科書では、
- ブローカ野=話す機能
- ウェルニッケ野=理解する機能
と説明されることが多いですが、実際の脳はもっと複雑です。
近年では、
言語機能は複数の脳領域が協力して働いている
ことが分かっています。
そのため、同じ部位が損傷されても症状は人によって異なります。
MRIやCTで分かること
脳卒中後には、
- CT検査
- MRI検査
が行われます。
これらの画像検査によって、
- どの部位が障害されているのか
- どのくらいの範囲が損傷しているのか
を確認できます。
画像所見と症状を合わせて評価することで、失語症のタイプや重症度を判断します。
まとめ
失語症は主に左脳の言語中枢が障害されることで起こります。
特に重要なのが、
- ブローカ野(話す機能)
- ウェルニッケ野(理解する機能)
です。
障害された部位によって、言葉が出にくくなったり、理解が難しくなったりと症状が異なります。
失語症を理解するためには、脳のどの部位が言葉を担当しているのかを知ることが大切です。

