構音と発音は何が違う?子どものことばの仕組み

子どもの発音について調べていると、構音という言葉を目にすることがあります。

日常生活では発音という言葉を使うことが多いため、構音と発音は何が違うのだろうと思う方もいるかもしれません。

構音と発音は似た意味で使われることがありますが、医療や言語聴覚の分野では構音という言葉がよく使われます。

子どもの構音障害を理解するためには、私たちがどのようにしてことばの音を作っているのかを知っておくことも大切です。

この記事では、構音と発音の違いや、声がことばになるまでの仕組みについてわかりやすく解説します。

発音とは?

発音とは、一般的にことばの音を声に出すことを意味します。

例えば、さかなという言葉を声に出したとき、さ・か・なというそれぞれの音を作って話しています。

日常生活では、発音がきれい、発音が聞き取りにくい、英語の発音が難しいなど、幅広い意味で使われています。

そのため、子どものことばについて説明するときにも、発音という言葉のほうが馴染みやすいでしょう。

構音とは?

構音とは、舌や唇、あごなどを使って、ことばを話すために必要な音を作ることです。

私たちが話すときには、肺から送り出された空気が喉を通り、口や鼻へと流れていきます。

その途中で舌や唇などを動かし、空気の流れを止めたり狭めたりすることで、さまざまな音を作っています。

例えば、ぱという音では、上下の唇を閉じて空気を一度せき止め、その後に唇を開いて音を作ります。

たという音では、舌先を上の歯の裏側付近につけて空気をせき止め、その後に舌を離して音を作ります。

このように、音によって舌や唇を使う場所や動かし方が異なります。

この音を作る一連の働きを構音と呼びます。

構音と発音はどう違う?

構音と発音は、日常的には似た意味で使われることがあります。

大きく分けると、発音はことばの音を声に出すことを広く表す言葉で、構音は舌や唇などを使って具体的なことばの音を作る働きを指します。

医療やリハビリテーションの分野では、ことばの音を正しく作ることが難しい状態を構音障害と呼びます。

そのため、子どもの発音について調べると、構音、構音障害、構音訓練などの専門用語が使われていることがあります。

保護者の方が普段使う発音がうまくできないという表現と、専門家が使う構音がうまくできないという表現は、重なる部分が多いと考えるとわかりやすいでしょう。

ことばはどのように作られる?

私たちは何気なく話していますが、ことばを話すためには体のさまざまな部分が協力して働く必要があります。

ことばの音を作るまでの大まかな流れは次のようになります。

・肺から息を送り出す
・喉にある声帯などを使って声を作る
・口や鼻の中で音を響かせる
・舌や唇、あごなどを動かす
・それぞれのことばに必要な音を作る

このような働きが連続して行われることで、私たちはことばを話すことができます。

発音には舌や唇の細かな動きが必要

ことばを話すときには、舌や唇を非常に細かく動かしています。

特に舌は、さまざまな音を作るために重要な役割を担っています。

舌先を使う音もあれば、舌の奥の部分を使う音もあります。

また、唇を閉じたり丸めたりすることで作られる音もあります。

子どもは成長するなかで、このような複雑な動かし方を少しずつ身につけていきます。

そのため、まだ舌や唇を上手に動かせない幼児期には、大人と同じようにすべての音を正しく発音できなくても不思議ではありません。

音によって発音の難しさが違う

日本語の音は、すべて同じ時期に言えるようになるわけではありません。

比較的早い時期から言いやすい音もあれば、正しく発音できるようになるまで時間がかかる音もあります。

例えば、ま行やぱ行など唇を使う音は、比較的わかりやすい動きで作ることができます。

一方、さ行やら行などは舌の細かな調整が必要になるため、正しく発音できるようになるまで時間がかかることがあります。

小さな子どもが難しい音を別の音に置き換えて話すことがあるのは、このような発音の発達も関係しています。

発音には聞く力も関係する

正しい発音を身につけるためには、舌や唇を動かす力だけでなく、音を聞く力も大切です。

子どもは周囲の大人が話すことばを聞きながら、さまざまな音を覚えていきます。

そして、自分が話した音と周囲から聞こえてくる音を経験しながら、少しずつ発音を身につけていきます。

そのため、聞こえにくさがある場合には、ことばの音を十分に聞き取れず、発音の発達に影響することがあります。

発音が気になる子どもでは、舌や唇の動きだけを見るのではなく、聞こえについても確認することが大切です。

発音にはことばの発達も関係する

子どもがことばを話すためには、音を作るだけでは十分ではありません。

話したいことを考え、それに合った言葉を選び、必要な音を適切な順番に並べて、実際に声として表す必要があります。

そのため、発音の問題とことば全体の発達が関係している場合もあります。

発音だけがうまくできない子どももいれば、語彙や文の発達など、ことばの他の部分にも課題がみられる子どももいます。

発音が気になる場合には、発音だけでなく、子どものコミュニケーションやことば全体の発達を見ることが重要です。

子どもの発音は成長とともに発達する

大人にとっては簡単に感じる発音でも、子どもにとっては高度な動きが必要です。

子どもは周囲のことばを聞き、自分でも繰り返し話しながら、少しずつ正しい音の作り方を身につけていきます。

その過程では、ある音を別の音に置き換えたり、ことばの一部の音を省略したりすることがあります。

このような発音の誤りのなかには、発達の途中で自然にみられるものもあります。

そのため、発音を評価するときには、正しく言えているかだけで判断するのではなく、年齢や発達段階を考えることが大切です。

まとめ

発音は、ことばの音を声に出すことを広く表す言葉です。

一方、構音は、舌や唇、あごなどを使って具体的なことばの音を作る働きを指します。

私たちが話すためには、呼吸、声を作る働き、舌や唇などの運動、聞く力など、さまざまな機能が関係しています。

子どもは成長するなかでこれらの働きを身につけ、少しずつ大人と同じような発音ができるようになります。

そのため、幼児期に正しく言えない音があっても、必ずしも構音障害とは限りません。

子どもの発音について考えるときには、どの音が言えないのかだけではなく、年齢や発音の発達、聞こえ、ことば全体の発達などを含めて考えることが大切です。

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