一人暮らしはできる?準備しておきたいこと(高次脳機能障害)
高次脳機能障害のある方やご家族から、
- 「一人暮らしはできるのでしょうか?」
- 「どんな準備が必要ですか?」
- 「家族が離れて暮らしても大丈夫でしょうか?」
という相談を受けることがあります。
進学や就職、家族構成の変化などをきっかけに、一人暮らしを考える方も少なくありません。
高次脳機能障害があるからといって、必ず一人暮らしができないわけではありません。
一方で、記憶障害や注意障害、遂行機能障害などの影響によって、生活の中で困りごとが生じることもあります。
そのため、「一人暮らしができるか」ではなく、「安全に安心して生活できるか」という視点で考えることが大切です。
この記事では、一人暮らしを始める前に準備しておきたいことについて解説します。
一人暮らしに必要な力を確認する
まずは、現在の生活でどのようなことが自分でできるかを確認しましょう。
例えば、
- 決まった時間に起きられる
- 食事を準備できる
- 薬を飲み忘れない
- 掃除や洗濯ができる
- 買い物ができる
- お金の管理ができる
などです。
すべてを一人で完璧に行う必要はありませんが、どこに支援が必要なのかを把握することが大切です。
家事を少しずつ練習する
一人暮らしでは、毎日の家事が欠かせません。
退院後から、
- 料理
- 洗濯
- 掃除
- ゴミ出し
などを少しずつ練習しておくと安心です。
最初は家族と一緒に行い、慣れてきたら一人でできる範囲を広げていきましょう。
お金の管理方法を決める
高次脳機能障害では、金銭管理が難しくなることがあります。
例えば、
- 支払いを忘れる
- お金を使いすぎる
- 財布をなくしてしまう
といったことが起こる場合があります。
そのため、
- 家計簿をつける
- 口座振替を利用する
- 支出を定期的に確認する
など、ご本人に合った方法を考えておくことが大切です。
薬や予定を管理する工夫をする
記憶障害がある場合は、服薬や予定の管理も重要になります。
例えば、
- お薬カレンダー
- スマートフォンのアラーム
- カレンダー
- ホワイトボード
などを活用すると、飲み忘れや予定の忘れを防ぎやすくなります。
「覚える」のではなく、「確認できる仕組み」を作ることがポイントです。
緊急時の連絡方法を決めておく
一人暮らしでは、困ったときに相談できる相手を決めておくことが大切です。
例えば、
- 家族
- 親戚
- 友人
- 主治医
- 地域の相談窓口
などの連絡先を、すぐに確認できる場所へまとめておきましょう。
スマートフォンへ登録しておくのもよい方法です。
地域の支援を活用する
一人暮らしは、「すべて一人で行うこと」ではありません。
必要に応じて、
- 訪問介護
- 訪問リハビリ
- 障害福祉サービス
- 相談支援
- 配食サービス
などを利用することもできます。
地域の支援を上手に取り入れることで、安心して生活を続けやすくなります。
家族との連絡を続ける
一人暮らしを始めても、家族とのつながりは大切です。
例えば、
- 毎日電話をする
- 定期的にビデオ通話をする
- 週に一度訪問する
など、無理のない方法で連絡を取り合うと安心です。
困ったことを早めに相談できる環境を作っておきましょう。
いきなり一人暮らしを始めない
不安がある場合は、段階的に練習する方法もあります。
例えば、
- 日中だけ一人で過ごす
- 一泊だけ試してみる
- 週末だけ一人で生活する
など、少しずつ経験を積み重ねることで、自信や課題が見えてきます。
焦らず準備を進めることが大切です。
一人暮らしを始めてからも見直す
一人暮らしは、始めたら終わりではありません。
生活を続ける中で、「ここは難しい」「この方法の方がやりやすい」ということが見つかることがあります。
定期的にご本人やご家族、専門職と話し合い、必要に応じて生活の方法や支援を見直していきましょう。
「一人で暮らす」と「一人で頑張る」は違う
一人暮らしというと、「何でも自分でしなければならない」と思われるかもしれません。
しかし、本当に大切なのは、必要なときに助けを求めながら、自分らしい生活を続けることです。
地域の支援や家族とのつながりを活用しながら生活することも、立派な自立といえます。
まとめ
高次脳機能障害があっても、一人暮らしが可能な場合は少なくありません。
大切なのは、現在の生活能力を確認し、家事や金銭管理、服薬管理などを少しずつ練習しながら、安全に生活できる環境を整えることです。
また、家族や地域の支援、福祉サービスを活用し、困ったときに相談できる体制を作っておくことも重要です。
一人暮らしは「すべてを一人で行うこと」ではありません。必要な支援を受けながら、自分らしく安心して暮らせる生活を目指していきましょう。

