外出するときに気をつけたいこと(高次脳機能障害)
高次脳機能障害のある方にとって、外出は生活の幅を広げ、自信を取り戻す大切な機会です。
買い物へ行ったり、散歩をしたり、友人と会ったりすることは、気分転換になるだけでなく、社会とのつながりを保つことにもつながります。
一方で、ご本人やご家族からは、
- 「一人で外出して大丈夫だろうか」
- 「道に迷わないか心配」
- 「疲れすぎてしまわないだろうか」
- 「何かあったときに対応できるだろうか」
という不安の声もよく聞かれます。
高次脳機能障害では、記憶障害や注意障害、半側空間無視、遂行機能障害などの影響で、外出中に困る場面が生じることがあります。
しかし、いくつかのポイントを意識することで、安心して外出できるようになります。
この記事では、外出するときに気をつけたいことをご紹介します。
いきなり長時間の外出をしない
退院したばかりの頃は、体力や集中力が十分に戻っていないことがあります。
そのため、最初から長時間の外出や遠出をすると、疲れが強くなったり、混乱したりすることがあります。
まずは、
- 自宅の周りを散歩する
- 近くのコンビニへ行く
- 家族と近所を歩く
など、短時間の外出から始めましょう。
慣れてきたら、少しずつ行動範囲を広げていくことが大切です。
行き先と予定を確認する
外出前には、
- どこへ行くのか
- 何をするのか
- 何時ごろ帰るのか
を確認しておきましょう。
記憶障害がある方は、メモやスマートフォンに予定を書いて持ち歩くと安心です。
家族と予定を共有しておくことも大切です。
持ち物をチェックする
外出前には、忘れ物がないか確認しましょう。
例えば、
- 財布
- 鍵
- スマートフォン
- 診察券
- 飲み物
- 常備薬
などです。
チェックリストを作っておくと、毎回確認しやすくなります。
人混みでは無理をしない
高次脳機能障害では、人が多い場所では注意が分散しやすくなります。
例えば、
- 駅
- ショッピングモール
- イベント会場
などでは、疲れやすくなったり、混乱したりすることがあります。
疲れを感じたら、無理をせず休憩を取りましょう。
静かな場所で少し休むだけでも、気持ちが落ち着くことがあります。
時間に余裕を持って行動する
急いでいると、注意力が低下し、忘れ物や道間違いが増えやすくなります。
外出するときは、予定より少し早めに出発するなど、時間に余裕を持って行動しましょう。
焦らないことが、安全な外出につながります。
道に迷う心配がある場合は工夫する
地誌的障害や記憶障害がある方は、慣れた場所でも道に迷うことがあります。
その場合は、
- スマートフォンの地図アプリを利用する
- 家族と位置情報を共有する
- よく行く場所までの道順を写真に残す
などの工夫が役立ちます。
一人での外出に不安がある間は、家族と一緒に練習するのもよい方法です。
疲れたら予定を変更する勇気も大切
「せっかく出かけたのだから」と無理をしてしまうことがあります。
しかし、高次脳機能障害では、疲れると注意力や判断力が低下しやすくなります。
疲れを感じたら、予定を短縮したり、早めに帰宅したりすることも大切です。
無理をしないことが、次の外出にもつながります。
困ったときの連絡先を持っておく
万が一に備えて、
- 家族の電話番号
- 自宅の住所
- 緊急連絡先
を書いたカードを持ち歩くと安心です。
スマートフォンを使っている方は、緊急連絡先を登録しておくこともおすすめです。
家族は少しずつ見守る
ご家族は、心配のあまり、「一人では危ないから」と外出を制限したくなることがあります。
もちろん、安全は最優先ですが、外出の機会が減ると、活動量や自信も低下してしまうことがあります。
最初は付き添いながら、慣れてきたら少しずつ一人でできる範囲を広げていくことが大切です。
外出そのものがリハビリになる
外出では、
- 人と話す
- 時間を確認する
- お金を使う
- 道順を考える
など、多くの脳の働きを使います。
そのため、外出は生活を楽しむだけでなく、日常生活の中で行えるリハビリにもなります。
無理のない範囲で外へ出る機会を作ることが、生活の質の向上にもつながります。
まとめ
高次脳機能障害のある方が安心して外出するためには、無理のない計画を立て、疲れすぎないことが大切です。
予定や持ち物を確認し、人混みでは休憩を取りながら、少しずつ行動範囲を広げていきましょう。
また、ご家族も安全を確保しながら見守り、ご本人が自信を持って外出できるよう支援することが重要です。
外出は社会とのつながりを保ち、自立を支える大切な活動です。焦らず一歩ずつ経験を積み重ねながら、その人らしい生活を広げていきましょう。

