一人で抱え込まないための工夫(高次脳機能障害)
高次脳機能障害のある方を支えていると、
- 「自分が頑張らなければ」
- 「家族だから最後まで支えなければ」
- 「周りに迷惑はかけられない」
という思いから、一人で多くの負担を抱えてしまうことがあります。
しかし、高次脳機能障害の支援は、数週間で終わるものではありません。
長い時間をかけて生活を支えていくことになるため、ご家族だけで頑張り続けるのはとても大変です。
一人で抱え込んでしまうと、心や体の疲れが積み重なり、ご本人を支えることが難しくなることもあります。
そのため、「一人で頑張らない仕組み」を作ることがとても大切です。
この記事では、一人で抱え込まないための工夫についてご紹介します。
「全部自分がやる」と考えない
ご家族は、「自分しかできない」と思ってしまうことがあります。
しかし、家事や通院、書類の手続きなど、すべてを一人で行う必要はありません。
例えば、
- 買い物は別の家族が担当する
- 通院は交代で付き添う
- 食事作りを分担する
など、小さなことでも役割を分けることができます。
「お願いすること」は決して悪いことではありません。
家族で話し合う時間を作る
支援を続けていると、気づかないうちに負担が一人へ集中してしまうことがあります。
そのため、家族で定期的に話し合う時間を持つことが大切です。
例えば、
- 困っていること
- 最近の体調
- ご本人の様子
- 今後の役割分担
などを共有することで、お互いに協力しやすくなります。
専門職を頼る
困ったときは、家族だけで解決しようとせず、専門職へ相談しましょう。
例えば、
- 主治医
- 言語聴覚士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 医療ソーシャルワーカー
などが相談に応じてくれます。
「こんなことを相談してもいいのかな」と思う内容でも構いません。
早めに相談することで、負担を軽くできることがあります。
地域のサービスを活用する
高次脳機能障害では、退院後も利用できる支援が数多くあります。
例えば、
- 訪問リハビリ
- 通所リハビリ(デイケア)
- 高次脳機能障害支援拠点
- 地域包括支援センター
- 障害福祉サービス
などです。
「家族だけで支える」のではなく、地域全体で支えるという考え方が大切です。
家族会に参加してみる
同じ立場の方と話すことも大きな支えになります。
家族会では、
- 日頃の悩み
- 工夫していること
- 利用できる制度
などについて情報交換できます。
「同じ悩みを持つ人がいる」と感じられるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
自分の気持ちを話す
ご本人のことばかり考えていると、自分の気持ちを後回しにしてしまいがちです。
しかし、
- 不安
- 悲しさ
- イライラ
- 疲れ
を抱え込んでいると、心身の負担は大きくなります。
信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理されることがあります。
完璧を目指さない
「もっと良い介護ができたはず」「今日は怒ってしまった」と、自分を責めてしまう方もいます。
しかし、高次脳機能障害の支援には、正解が一つあるわけではありません。
うまくいかない日があって当然です。
「今日はここまでできた」と思えることを大切にしましょう。
自分の時間を意識して作る
介護や支援だけの生活になってしまうと、心に余裕がなくなってしまいます。
例えば、
- 散歩をする
- 好きな音楽を聴く
- 友人と話す
- 趣味を楽しむ
など、短時間でも構いません。
「自分のための時間」を意識的に作ることが、長く支援を続ける力になります。
助けを求めることは弱さではない
「家族だから頑張らなければ」という気持ちは、とても大切です。
しかし、助けを求めることは決して弱さではありません。
必要なときに周囲を頼ることは、ご本人のためにも、ご家族のためにも大切な選択です。
支援は一人でするものではなく、多くの人と協力して行うものです。
家族が元気でいることが一番の支援
高次脳機能障害のある方は、家族の表情や雰囲気から安心感を得ることもあります。
家族が疲れ切ってしまうと、その不安はご本人にも伝わります。
ご本人を支えるためには、まず家族自身が健康で笑顔でいられることが何より大切です。
無理をせず、周囲と協力しながら、そのご家庭に合った支援の形を見つけていきましょう。
まとめ
高次脳機能障害の支援を一人で抱え込む必要はありません。
家族で役割を分担し、専門職や地域のサービスを活用しながら、多くの人と協力して支えていくことが大切です。
また、ご家族自身も休息や趣味の時間を大切にし、心や体の健康を守ることが、ご本人を長く支える力になります。
困ったときは、「一人で頑張らなければ」と思わず、周囲に助けを求めましょう。それは、ご本人とご家族の両方が安心して生活するための大切な一歩です。

