言語聴覚士はどんな評価をする?
言語聴覚士は「話し方」だけを見ているわけではありません
吃音の相談をすると、言語聴覚士(ST)が評価を行うことがあります。
「どれくらいどもるかを調べるだけなの?」
「何か難しい検査をするの?」
と不安に思う方もいるかもしれません。
実際には、言語聴覚士は話し方だけでなく、本人の生活や気持ち、困りごとまで含めて総合的に評価します。
評価の目的は、「吃音かどうか」を判断するだけではなく、その人に合った支援方法を考えることです。
まずは詳しく話を聞く
評価では、最初に本人や家族から詳しく話を聞きます。
例えば、
- いつ頃から吃音が始まったか
- どのような症状があるか
- どんな場面で出やすいか
- 症状は変化しているか
- 家族に吃音のある人がいるか
などを確認します。
幼児の場合は、保護者から詳しく話を聞くことが中心になります。
実際の話し方を観察する
次に、実際に会話をしながら話し方を観察します。
例えば、
- 自由な会話
- 絵を見ながら話す
- 絵本の説明
- 音読
- 質問への受け答え
などを行います。
その中で、
- 繰り返し
- 引き伸ばし
- 詰まり
といった吃音の特徴を確認します。
吃音の頻度や種類を評価する
言語聴覚士は、
- 吃音がどれくらいの頻度で出るか
- どの症状が多いか
- 症状が続く時間
なども評価します。
例えば、
- 繰り返しが中心なのか
- 詰まりが中心なのか
- 引き伸ばしが多いのか
によって、症状の特徴を把握します。
随伴症状も確認する
話すときに、
- 目を閉じる
- 顔をしかめる
- 首を動かす
- 足を踏み鳴らす
などの動きがある場合があります。
これらは随伴症状と呼ばれます。
言語聴覚士は、「どのような動きがあるか」だけではなく、「本人がどれくらい困っているか」も含めて評価します。
回避行動や気持ちも大切な評価項目
吃音の評価では、話し方だけでは十分ではありません。
例えば、
- 電話を避ける
- 発表を断る
- 苦手な言葉を言い換える
などの回避行動があるかも確認します。
また、
- 話すことが怖い
- 緊張しやすい
- 学校へ行きたくない
など、本人の気持ちも重要な評価項目です。
日常生活への影響を確認する
言語聴覚士は、
学校や仕事、家庭生活への影響についても確認します。
例えば、
子どもの場合は、
- 音読
- 発表
- 友達との会話
大人の場合は、
- 電話対応
- 会議
- 接客
- 面接
など、どの場面で困っているのかを詳しく聞き取ります。
必要に応じて評価尺度を用いることもある
医療機関や施設によっては、吃音の重症度や生活への影響を客観的に把握するために、評価尺度や質問票を用いることがあります。
また、発話を録音・録画して分析し、吃音の頻度や種類を詳しく確認することもあります。
ただし、評価方法は施設によって異なり、すべての医療機関で同じ検査が行われるわけではありません。
評価は支援につなげるために行う
言語聴覚士の評価は、「重症だから治療」「軽症だから様子を見る」と単純に決めるためのものではありません。
評価を通して、
- 本人が困っていること
- 得意なこと
- 必要な支援
- 家庭や学校でできる工夫
を一緒に考えていきます。
そのため、評価そのものが支援の第一歩になります。
まとめ
言語聴覚士は、吃音の話し方だけでなく、症状の種類や頻度、随伴症状、回避行動、本人の気持ち、日常生活への影響などを総合的に評価します。
評価の目的は病気を診断することだけではなく、一人ひとりに合った支援方法を考えることです。
話し方だけではわからない困りごとにも目を向けることで、より適切なサポートにつなげることができます。

